第2話 目覚めても闇の中

俺は落ちたことだけ認識していた。

他はわからないし、わかりたくもない。

カラン、コロンコロン何か音がする。

全身が痛い。周りが暗い。

「はっ!」と言ったつもりが

「コボォゲホッゲホッ!?」と喉から出た。

全身に打撲のような痛みがある。

(ここ何処なんだよ?家帰りたいんだけど…)

音のした方を見る。

それは見上げるほどを足したような姿だった。

目が暗さに慣れてくるとそいつの全体像はっきりが分かった。2m程のデカさに頭は蚊、胴体ニワトリ…足六本、足も蚊だ。

背中から尻尾にかけて蛇の鱗で覆われていて尻尾の先ではクネクネと蛇の頭が動いている。

このキメラなんなんだよそう思っている間に何度も何度も刺され噛まれる。

体に感じたことのないような激痛が奔る。

「グアッ!?」

(あ、死ぬのか…)

その瞬間に体が治る。

痛みもなくなっていた。

(は?意味分からん。だがこれは好機だ)

とりあえずキメラの頭の針をぶん殴る。

思ったよりも柔らかくすぐに折れる。『グキャァァァァァ!?』

初めて聞いたそのキメラの鳴き声だった。

だが、キメラは尻尾で噛みついてくる焼けるような激痛が奔る、それでもさっきよりは痛くない、そして治る。

キメラの尻尾の蛇の頭を掴み力任せに引っ張る。

ブチブチブチィという気持ち悪い音と共にキメラに付いてた背中の鱗ごと剥がされ、ちぎれる。

キメラは怒った様子だ。多分あの蚊の頭と尻尾の蛇の頭刺し噛みつきコンボを抜け出した者はいなかったのだろう。

次の瞬間腹に穴が開く内蔵がドバドバと腹から出ていく。

痛いということも考える間もなく意識が無くなる、筈だった。

また俺の体は修復され瞬きする間に治っていた。

生きているのが不思議だったが、またキメラと向かい合う。

次の瞬間俺は走り出していた。

(あれ?前の100m走より速くなってね?)

だが今は、キメラだ。

キメラの背後を取る、そして鱗の剥がれた部分に噛みついた。

今の一撃が心臓に当たったらしい、そのままキメラは悲鳴をあげる間もなく絶命した。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇


次はスキル編お楽しみに〜この作品が良いと思ったら励みになりますので応援、応援コメントお願いします!

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