第10話 ガルダ3
ガルダに竜巻が吸収されていく。そして、それらが収まった後、ガルダはこちらに猛スピードで飛んできた。飛んだ時に発生した衝撃波はあたりの物体を吹き飛ばし、粉砕していく。そして、我々を見つけ、食らおうと大口を開けた・・・・
「勝手に急所を開けてくれるとは。今だぞ、貫通に特化した魔法を使え。」
「もはや、なりふり構っていられませんからね。」
そして、彼女は杖を構えた。
「超極級光属性魔法起動
そして、放たれた光の槍はガルダの口に入り、脳天を穿つ・・・はずだった。
「GRUAAAAAAAAAAAAAAA」
なんとガルダは当たるところで、口を閉じ、ギリギリで体を捩って、回避したのだった。
普通だったら命中するはずの攻撃、だが、ガルダは驚異的な動体視力と魔力感知によって外して見せたのだ。
「なんで、あれをかわせるんですか?」
「相当な、動体視力と魔力感知、思い切りの良さが必要だ。どうやら、想像以上に奴は強いようだ。」
「そんな呑気なことを言っている場合ですか!?あの鳥、あんな避け方をしたのに、すぐに体勢を整えて、遠距離に下がりましたよ!?」
「なるほど。かわしたとはいえ、あなたの攻撃は若干体を掠めていたようだ。その証拠に、そこらに血が飛び散っている。」
「ガルダの血は緑色だったんですね・・・じゃない!遠距離に離れたということは、まさか、先ほど以上のスピードで向かってくるか、遠距離攻撃をしてくることですか!?」
「遠距離攻撃で間違い無いだろう。先ほど以上のスピードで来ても、同じことを繰り返すことになりそうだからな。」
「!?!?!?!?!?!?、超強力な魔力反応!?まずいです。急いで逃げましょう!」
「いや、無理だ。射程もわからんし、この感じ、避けたら、後ろにある街が一瞬で塵芥になるぞ。」
「では、どうすれば・・・・」
「あの鳥は、神である私に攻撃をした。ならば、私が攻撃を行なっても問題は無いだろう。いい機会だ。
どうやら、向こうはもうすぐ、攻撃ができるようだ。
「では、早急に組まねばな。」
そして、私はとある術式を組んだ、しかし・・・・
「合わせて打ってもいいが、この感じ、どうやら囮の竜巻も複数召喚しているようだ。こちらの攻撃が来ても、直進的なものだったらすぐに対処されるということか。まあ、そうならないよう術式を改良してもいいが、少々面倒だ。ならば、範囲攻撃と防御術式と行こうか。こちらの神術の耐久力チェックもしてみたかったしな。」
そして私は二つの術式を同時に展開した。
「術式同時起動・対巨大敵専用術式展開 座標指定・範囲指定、同時進行で防御術式展開、敵攻撃の攻撃方向と、範囲を演算にて予測。術式完成、起動。
範囲風属性術式展開 起動・
防御術式同時起動・
すると、我々の目の前には黒い穴が現れ、ガルダの頭上には不可視の風でできた剣が現れた。
攻撃は同時だった。ガルダはこちらに向けて、風の砲撃を行なった、竜巻を横に打ち出したのだ。その大きさ、威力共に、彼女が打った先ほどの術式をはるかに上回っていた。その攻撃が、黒い穴に吸い込まれていき、そして、攻撃がいきなり止まった。
ガルダの生命反応がなくなったのだ。
「まさか!?」
「ああ。
そして、私は彼女を抱えながら、そこに向かった。
*虚神ノ繭は虚神ノ坩堝の下位互換術式。虚神ノ坩堝を使うと、あたりの森すらも吸い込んでしまうため、威力を調整するために使った。
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