第6話 食レポ大魔女2

そして、戦いが始まった。

ガルフォンが高速で飛んできた。巨体なので、目で追えないというほどでは無いが、気を抜いていると一瞬で死ぬことになる。

「GRYOoooooooooooooooooooooo」

「わざわざ騒ぐな煩わしい。すぐに殺してやるから、そう、せっかちになるな。」

そして私は術式を展開した。サークルが幾重にも描かれ、式もスラスラと記されていく。







「炎・光複合属性術式展開、神力量調整、範囲・射程調整、攻撃対象の予想行動範囲を演算、起動:始原の光アルファバースト第1形態 無慈悲な閃光アル・メトロ









発射された閃光はガルフォンの頭部を正確に焼き尽くした。








もちろん、この程度の術式なら、無詠唱かつ、陣もいらない。ただ、この術式は今撃った第1形態ですら山一つは平気で破壊してなお余るくらいの威力はある。ただ、それをすると彼女に迷惑がかかる。故に、威力を弱めるために色々と術式を描いたというわけだ。

「倒れたか。さて、このままにすると、危ない。凍結術式をセットして、家に戻るか。」

そして私は彼女の待つ家に戻った。





「セシリアよ、すまぬがこのキノコたちは大丈夫か?あと、薬草や山菜はこの家にあるのを使っていいか?あと、蜂蜜も少々。」

「別にいいけど。みたところ、キノコは問題ないですよ。」

そして、私は台所に立った。

「調理器具の使い方は分かりますか?」

「問題ない。あなたが昨日料理していたところを見ていた故。」

調理をしていく。食材を水で洗い、灰汁をとり、ガルフォンの肉を取り出し、一部をシチューの具にし、煮込みつつ、シチューにしていく。残った肉はグリルにして、胡椒をかけて完成。あとは、パンを取り出し、ジュースも用意して、彼女が待っている食卓に向かった。



「いただきます。」

「いただこう。」

そして、食事を食べた。彼女はシチューから口に含んだみたいだ。すると・・・

「まろやかな味が素晴らしいですね!!!山菜の味と、キノコの風味と、この肉自体の味と、肉から出た出汁がまたいい味を出しています!!!これにパンをつけて食べるとまた変わった味がして美味しいです。これを含みつつ、フルーツジュースを飲むと、またフルーツの味から食事が美味しくなります!!!ちなみに、この肉は何の肉ですか?」

「喜んでくれて何よりだ。ちなみにこの肉はガルフォンとかいうやつの肉だ。」

「あの怪物の肉?体が硬いし飛ぶのも速いアレですか?まさか、その肉を食べれるとは!!!ということは、その派手な肉は?」

「そいつの肉を焼いたやつだ。余った肉をシチューにぶちこんだ感じだな。」

「なるほど!!あの、ギルファルガさん、その肉、私にもくださいませんか?」

「構わぬぞ。ナイフで切り分けてやる。」

「ありがとうございます!では、いただきます。」

そして、彼女はそれを口に含み、いきなり静かになった。口に合わなかったのだろうか?そう心配し、声をかけようとした次の瞬間・・・

「うっっまぁぁぁぁいです!!!程よく焼かれたこの感じ、そしてこれを食べつつ、シチューを飲むと、この肉にかけられている胡椒の辛さをシチューがいい感じに包み込んでいく。そして、それと一緒にパンを食べる。これでループができます!!!ああ、止まりません。止まりませんよぉぉ!!!」

そう言いつつ、目を輝かせながら、彼女はご飯を食べていった。その様子が私にはどこか、微笑ましく思えたのだった。





そして、食事を済ませて、片付けを始めた時

「ありがとうございます。こんなに美味しいものを食べたのは久しぶりです。」

「気にするな。それにあなたの料理もかなり美味しいぞ。」

そう言いつつ、テキパキと食器を片付けていく。

「そう言えば、ガルフォンを狩ったともことですが、骨や翼とかは残していますか?」

「ああ、一応保存してある。」

「でしたら、後で私に渡してください。今研究中の魔法があって、それの触媒にしたいのです。」

「風属性の魔法か?」

「はい。風魔法は便利ですから。」

そう言って、彼女は微笑んだ。その微笑みを嬉しく感じつつ、心の奥がちくりと痛んだのであった。









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