第5話 食レポ大魔女1

「何これ!!!とっても美味しいです!!!!。氷の冷たさとサフィアの味が口に広がり、甘さと酸っぱさの相乗効果で舌が刺激されます。たくさん食べることでキーンと頭が痛くなりますが、これもこのかき氷というデザートの味を、引き立たせるスパイスと思うと、とても愛おしいです!!!しかし、これだけでは少々味気ないというか、私は酸っぱいのも好きですが同時に甘いものも好きなんです。そうだ、倉庫にビュフェクリームがありました。それを取ってくるとしましょう!!!」

そう言って、彼女は倉庫に向かって走り出した。どうやら触媒とか以外にも調味料も置いているようだ。気に入ってもらえると嬉しいと思ったが、ここまで反応してくれるとは。

そして、ビュフェクリームを取ってきた彼女と一緒にかき氷の味を堪能するのだった。


 ちなみにビュフェクリームとはなんぞやと思ったが、ホイップクリームみたいなものだった。



翌朝

今日の朝食は、野菜スープとトーストだった。とても美味しかった。ちなみに食後には紅茶を飲んだ。私はそのまま飲んでいたが、彼女は蜂蜜を入れて飲んでいた。

「その蜂蜜もこの森にあるのか?」

「あるというよりは、この家の裏にある箱で作っています。この蜜はスウィートビーと呼ばれる魔物から作られるので、巣ごと掻っ払って、スウィートビーと契約したという感じです。」

「契約とは?」

「こちらが、外敵から守り、安全な巣の設置場所を提供する代わりに、蜂蜜をもらうという感じです。」

掻っ払ったとか言っていたが、それを突っ込むのはやめておこう。



昼間は、引き続き森の探索を行った。新たの植物も見つけ、いろいろな知識を得た。

「うーん。これ以上行くと遅くなりそうだから、今日はこのくらいにしましょうか。」

時間としては日が若干西側に傾いた頃だった。

「ふむ、今日の夕餉は私に作らせてくれぬか?」

「良いのですか?では、お言葉に甘えさせてもらいます。」

「苦手な食べ物とかあるか?」

「そこも気遣ってくれるとは嬉しいです。ですが、無いので安心してください。ただ、準備するのならこの森の中の食材にしてくださいね?」

そして、彼女は家に戻り、私は森に潜った。




 彼女は華奢なので、そうガツガツしたものはやめておいたほうがいいだろう。では、やはりシチューにするか。

「薬草とかは、彼女から借りるとしよう。実はこれは猛毒ですなんてことにはなりたく無いからな。とすれば、探すのは、キノコや肉類が良いか。」

 そして、森に潜っていくと、キノコを見つけた。毒キノコの可能性もある。神眼での解析は彼女にきんしされたし、神力の消費も激しい。食べてみてから調べても良いが、もし超危険なものがあると、回復や蘇生で時間もかかる。何より、自ら猛毒を食べるのは気が引ける。明らかに毒がありそうなものは除外する形で行こう。

 ぼちぼちキノコを採集し、次は肉を探すことにした。シチューに入れるので鶏の肉がいいと思った。そう、ぼちぼち歩いていると、大きな影が地面に映った。

「GYOoooooooooooooooooooooooo」

気づいたら、そいつがこちらに向かって突っ込んできた。

「おっと危ないな、ただ探す手間が省けた。みた感じ毒もなさそうだ。」

その魔物の名前はガルフォン。風の王とも呼ばれる、生態系の頂点に君臨するものだ。大きさは、ざっと30メト。肉つきも十分と言ったところだ。

「さて、肉を腐らせるわけにもいかん。腐っても戻すことはできるが、手間は省きたい。なら、狙うは一点。頭部を貫く。」

そして、私は術式を描いた。




*メト:メートルと思ってくれればいいです。



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