エルフェリア帝国編
第1話 ここはどこだ?
窓から朝日が差した。ギルファルガは朝日の眩しさと、鳥の鳴き声によって目を覚ました。
「ここはどこだ?確か、カルバムからの攻撃を受けて、そのままこの世界に落下したはずだ。そして、落ちたなら外にいるはずだ。だが、ここは家の中だ。家に、私が落ちたような形跡はない。魔法にて修復された可能性もあるが、一応調べてみるか。」
そして、起きようとしたその時に、部屋の扉が開いた。そこには銀色の長髪にルビーのような赤い瞳をした、美しい少女が立っていた。
???「あら、起きたのですね。体調は大丈夫ですか?」
「問題ない。ところでここはどこだ?」
???「どこかと言われますと、ここはエルフェリア帝国北部カト山脈内部の魔の森タルロムです。」
エルフェリア帝国とはこの世界にある国の名前の一つだろう。ここがカト山脈とやらの内部ならば私は山に落下したということか。
「周囲は派手に抉れていないか?」
???「ええ。昨日、空から何かが落ちたような轟音が聞こえ、音がした方向に行くと、あなたが倒れていました。怪我を負っていたようでしたので、私の家に運んだわけです。」
「それはどうもありがとう。そして、すまない。苦労をかけただろう。故に私はあなたに報いたい。何か必要なものはあるか?」
???「いえ、気にしないでください。傷ついたあなたを見ていると、放って置けなかっただけです。」
「謙虚な者だ。だが、それでは私の神としての面子に関わる。どうか、報いさせてはくれないだろうか?」
???「いえいえ、そんなことはないですよ。ところで、あなたは今、神と言いましたか?」
「言ったとも。それがどうしたのだ?」
???「あなたが倒れていたところで家に運んで、傷の手当てをしようと思ったのですが、傷がどんどん治っていったので。」
「神だからな。あと、ダメージを負うと自動で回復するような術式を組んでいたから。」
???「術式ですか?その話、詳しくお聞かせ願いませんか?その術式というのはどういう構成なんですか?陣は?魔力は?」
そして、彼女はこちらに近づき、積極的な態度で質問し始めた。
「落ち着け。えらい食いつきようだな。」
???「それはもちろん、こう見えて魔術師ですし、魔法の研究もしているんですから。」
「こんな森の中に住んでいるのも、研究のためか?」
???「ええ。ここにはいろいろな素材がありますから。それに、静かなので研究にはうってつけです。」
「うるさくしてすまなかったな。」
???「大丈夫です。あなたという興味深い存在に出会えましたから。さて、いろいろと聞きたいところですが、まずは朝ごはんにしましょう。ついてきてください。」
そして、彼女は私についてくるよう、促した。体を起こし、ついていこうとしたが、ふと、疑問が浮かんだ。そう思った時には口から言葉を発していた。
ギルファルガ「あなたの名前は?」
???「ああ、言ってませんでしたね。私の名前はセシリア。深淵の大魔女セシリア・アル・ウェストデリスです。」
そう名乗って、彼女、セシリアは微笑んだ。
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