頑張る障害者から、感じ取れる大きな感覚
白鷺(楓賢)
本編
私は、スポーツ観戦にはほとんど興味がありません。オリンピックもパラリンピックも、毎回多くの注目を集めますが、私自身がそれを熱心に観ることは少ないです。しかし、パラリンピックやデフリンピックというイベントに関しては、ただのスポーツの枠を超えた「頑張り」や「挑戦」が見えるものであり、その背景には大きな意味があります。
### メディアが取り上げる温度差への疑問
オリンピックは世界中で注目され、メディアでも広く報道されます。しかし、私が感じる疑問のひとつに、パラリンピックやデフリンピックがそれに比べてほとんど取り上げられないという「温度差」があります。パラリンピックでさえ、オリンピックに比べるとその報道の規模や時間は極めて少なく、デフリンピックに至っては、存在すら知らない人が多いのが現状です。
私が最近デフリンピックについて知った時、この温度差には大きな疑問を感じました。なぜ、これほどまでに頑張っている障害者の姿がもっとメディアで取り上げられないのか?なぜ、これだけ素晴らしい挑戦が、日の目を見る機会が限られているのか?
### パラリンピックの意義とデフリンピックの存在
パラリンピックは、身体障害や知的障害を持つアスリートが参加する世界的なスポーツイベントです。彼らが身体的な制約を乗り越えて競技に取り組む姿は、誰もが感動を覚えるものです。私はスポーツに興味がなくても、パラリンピックでのアスリートの努力や挑戦には心を打たれることがあります。彼らの姿を見ると、困難を乗り越える姿が美しく、勇気をもらえる瞬間が多くあります。
一方で、デフリンピックは聴覚障害を持つアスリートが参加する大会ですが、その知名度は極めて低いです。これほどまでにメディアの取り上げが少ないのはなぜでしょうか?オリンピックやパラリンピックと同じように、デフリンピックもアスリートたちの努力や挑戦を讃えるべき場です。デフリンピックにおいて、音が聞こえないというハンディキャップを乗り越え、視覚的な合図やジェスチャーを駆使して競技が進められます。彼らの戦いもまた、非常に厳しく、尊敬に値するものです。
### メディアの責任と社会の温度差
私がこの温度差を感じる背景には、メディアの責任があると思います。オリンピックやパラリンピックはスポンサーやメディアの関心が高く、世界中に広く報道されます。しかし、デフリンピックのように、視覚的にわかりづらい競技や、参加者が少ない競技は、どうしても報道の優先度が低くなりがちです。その結果、障害者の頑張りが社会全体に伝わりにくくなり、認知度が上がらないという現実が生まれています。
この温度差をなくすためには、もっとメディアがデフリンピックやパラリンピックを積極的に取り上げ、彼らの努力や挑戦を広く伝える必要があります。パラリンピックに対する興味が年々高まってきているのは素晴らしいことですが、同時にデフリンピックの存在ももっと広めるべきです。メディアの報道だけでなく、社会全体で障害者の頑張りを認め、彼らが活躍する場をより多くの人に届ける努力が必要です。
### 自分の経験と感覚
私は、感覚過敏という特性を持っており、特に聴覚、嗅覚、味覚において過敏です。小さな音や微かな匂いにも敏感に反応するため、日常生活で生きづらさを感じることが多々あります。音が聴こえすぎることでの不便さに悩んでいる私ですが、逆に音が聴こえないという違った困難を持つ聴覚障害者の方々がいることを考えると、彼らの苦労が少し理解できるような気がします。
音が聴こえない世界での生活がどれほどの困難を伴うかは、実際に経験したことがない私には正確にはわかりませんが、それでもその不安や孤独感は想像に難くありません。聴覚障害者の方々がデフリンピックという舞台で自分の限界に挑み、困難を乗り越えている姿には、私が日常で感じている以上の「大きな感覚」があるのだろうと感じます。
### もっと光を当てるべき
デフリンピックの選手たちもまた、頑張っています。そして、その頑張りがもっと多くの人々に届くべきです。私は、自分が感じている「敏感さ」を強みとして、彼らの姿をもっと多くの人に伝えたいと思っています。スポーツ観戦に興味がない私でさえ、彼らの頑張りを見れば、何かを感じ取り、学び取ることができるのです。
この温度差を埋めるためには、私たち一人ひとりが関心を持ち、彼らの挑戦にもっと光を当てるような社会を作る努力が必要です。そして、障害者ひとりひとりがもっと暮らしやすく、努力したくなるような環境づくりを、社会全体で進めていくべきだと強く思います。
頑張る障害者から、感じ取れる大きな感覚 白鷺(楓賢) @bosanezaki92
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