ケース2 とあるシングルファザーの苦悩


 私はしがないサラリーマンだ

 家族は娘が一人。シングルファザーとして頑張ってきたつもりだが娘には色々苦労をかけたと思う。

 そんな私にマッチング通知が来た。

 娘に母親と弟妹を作ってあげられるかもしれない。そう思い申し込んでいたものだ。


「あっれー、おじさんじゃん」


 面会室にいたのは娘の親友だった。何度も家に遊びに来ていたので覚えていた。

 まさか娘の親友とマッチングするとは。


「まさかマッチング相手がおじさんとはねー。どうする?早速子作り、する?」


 最近の子は積極的だな……


「いや、一旦娘に相談したほうが良いだろう」


「そーだねー、いきなりお父さんが自分の友達と子作りしましたーなんて聞いたらビックリするだろうし」


 うーん、前から思ってたことだがこの娘は少し軽い気がするな。少し気になったことを聞いてみる。


「ところで、君はそういう経験はあるのかな?」


「なにそれ、セクハラ?」


 笑いながらそう返す。


「あ、いや、そういうわけでは……」


「経験済みだよ」


 私が困ったような反応をしていると、あっさりとそう返答した。


「……うーん、本当に気になってるのはあの娘のことでしょ?まあ、あたしみたいのが側にいたら不安にもなるか。……でも、多分大丈夫だと思うよ、あの娘、未通娘おぼこいから」


「……そうか、どうもありがとう」


 彼女の言葉に少し安堵する。



 最近娘の様子がおかしい。

 娘の同級生とマッチングしたことを伝えてからだ。妙にツンケンしたと思ったら次は妙にベタベタしてきたりと。

 昨夜などは背中を流すと言ってお風呂に突撃してきた。

これは一体何なんだろう。

 マッチングした親友の子がどんな子か聞くととたんに不機嫌になった、と思ったら今日は一緒に寝るとベッドに潜り込んできたりと。

 私はこの娘の行動に困惑していた。


 次の日の夜、私が重みを感じて夜中に目覚めるととんでもない光景が目に入った。

 なんと娘が全裸で私に覆いかぶさっているではないか。

 娘の目は潤んでいて悲しみに彩られていた。


「私、お父さんが好き。あの娘にだって渡したくないの」


 衝撃的だった。まさか娘が私のことをそういう目で見ていたなんて。私は、娘の教育を間違ったのか?……そう思うと同時に、とても、嬉しかった。

 どちらにしても、私は、駄目な親だな……


「あの娘とはもう子作りしたの?」


「いや、まだだが……」


「あの娘よりも先に私と子作りして欲しい」


 結局私は娘の懇願を拒否できなかった。娘は初めてだった。長年育てた娘の処女を、私が散らす。その背徳感に私はこれ以上ないほどに興奮した。



 それから数カ月後、私は娘と、その同級生と三人で産婦人科への道を歩いていた。


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