ケース2 とあるシングルファザーの苦悩


私はしがないサラリーマンだ

家族は娘が一人。シングルファザーとして頑張ってきたつもりだが娘には色々苦労をかけたと思う。

そんな私にマッチング通知が来た。

娘に母親と弟妹を作ってあげられるかもしれない。

そう思い申し込んでいたものだ。


「あっれー、おじさんじゃん」

面会室にいたのは娘の親友だった。

何度も家に遊びに来ていたので覚えていた。

まさか娘の親友とマッチングするとは。



最近娘の様子がおかしい。

娘の同級生とマッチングしたことを伝えてからだ。

妙にツンケンしたと思ったら次は妙にベタベタしてきたりと。

昨夜などは背中を流すと言ってお風呂に突撃してきた。

これは一体何なんだろう。

マッチングした親友の子がどんな子か聞くととたんに不機嫌になった、と思ったら今日は一緒に寝るとベッドに潜り込んできたりと。

私はこの娘の行動に困惑していた。


次の日の夜、私が重みを感じて夜中に目覚めるととんでもない光景が目に入った。

なんと娘が全裸で私に覆いかぶさっているではないか。

娘の目は潤んでいて悲しみに彩られていた。


「私、お父さんが好き。あの子にだって渡したくないの」

「あの子とはもう子作りしたの?」

「いや、まだだが……」

「あの子よりも先に私と子作りして欲しい」


結局私は娘の懇願を拒否できなかった。


それから数カ月後、私は娘と、その同級生と三人で産婦人科への道を歩いていた。


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