第24話 『翌朝の窓』

特に雨などは降ってなかったんですけどね。

ある朝、窓にうっすらと湿った手形が付いてたんですよ。


すぐ消えそうな物なのに、これみよがしにね……。

そういえば前日の夜、不思議な出来事があったなぁって。


昨晩、窓際のベッドに横たわろうとすると「明日はね」という声が聞こえました。

それが窓の外、窓を隔てたすぐそこで喋っているようなんですよ。

その後、窓がみしりと鳴りました。何かをゆっくり押し付けた、ような。


「明日はね」って何・・・?

その言葉は今朝起きてからも耳に残ってしまっているんです。

そして今度は、窓を押し付けた力が緩んだような軋み。

だから、今晩寝るのが怖いというか、、


だから寝る前に窓をもう一度確認したんです。

窓は開いてて、ギシギシ軋むような音がしたので外を覗いてみたら、知らない老人が窓枠を思い切り引っ張ってたんです。


私が見た瞬間にどこかに行ってしまったんですけど、怖いですよねえ。

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