春に焦がれて
①
焼かれるような暑さが少しずつ影を潜め、青葉がその身を地に落とし、少しだけ寂しい風貌になった街路樹が並ぶ道を歩く通学、いや、通勤途中の朝。
私、
満喫、と言ってもそれは学生としてではなく、子供達を導く立場、教師としてだ。
「春ちゃんおはよ~」
「おはよう~……ってコラ、先生って呼びなさい」
「あはは~」
養護教諭としてこの高校に配属されてから早一年半。
徐々に仕事にも慣れ初め、自分の事で精一杯だった辛い時期も抜けて、ようやく周りに目を向けられるようになってきた。
やっとこの仕事の楽しさを実感してきたというか、それに気付ける余裕が生まれてきていた。
最近では、生徒のみんなに“春ちゃん”だとか、“春ちゃん先生”だなんてあだ名で呼ばれることも多くなった。
本当は注意しなければいけない立場なのだけれど、心を許してもらえているというか、学校に馴染めてきたのかなというか、生徒達にとって取っつきやすい存在であると思われているのかと思うと、それはそれで悪い気はしなかった。
生徒にとって馴染み深い教師であれば、悩んだ時や困った時に頼ってもらいやすい。
“まるで本当のお姉さんみたいな先生”
それが、私の求める理想の教師像だ。
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君に私はまだ早い!!~保健室の先生として働いている私なのですが、まるでラブコメの主人公の如くモテまくる男子生徒に言い寄られて困っています。私は一体どうしたらいいのでしょうか?~ 村木友静 @mura1420
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