第20話

私の目から見たユキは、

とても優しいが、サラリとしているというか、アッサリとしていて、

それでいてとても義理堅い印象を受ける。


人の想いをバカにすることなく、ちゃんと聴き、誠実な言葉を返してくれる。

それでいて、自分が抱える辛いことは、おくびにも出さない。


あれほどの美貌だ。

男の欺瞞や欲望に不快な思いをしたことだって多かろう。




まぁ、半径5m以内に近づけば女性が不愉快になる私と、仕事で一緒だったのが、ユキにとって最も不愉快な出来事であったろうが・・・そこは、そっとしておいて欲しい。




つまらない冗談はさておき、ユキは他人に依存することなく、自分の足でしっかりと立っている。私のように孤独を気取りながら、その実、甘えることしか出来ない人間とは違う。


あれほど聡明な女性だ、欲望に由来する心地よい言葉や装いなど、たちどころに看破してしまうに違いない。


だからこそ私は、自分のみっともない無防備な姿を晒せたし、自分の醜さに向き合おうと思うことが出来た。



ユキの、そういうところが良いのだ。


褒めてはいない、単なる事実だけを書いている。

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