第5話(改)

言葉では精一杯見栄を張っているものの、肉体的には分離不安か・・・まるで、そこいらの仔犬だな。こういうこと自体初めての経験なので、呆れつつ戸惑いも覚えた。


元々孤独は好きだし、人との別れも慣れているつもりだ。


それなのに、自分が今、意識で考えていること、心が思っていること、そして身体の反応というものが、それぞれに異なるものだと改めて感じる。


私の素直な正直な気持ちとは、いったいどこにあるのだろう?

そんな疑問が初めて生まれた。


だが、よしんば、素直な気持ちが仔犬のような「寂しさと不安」だったとしても、誰がそれを認められるか!そんな大人の分別とプライドが頭をもたげてくるだろう。


こんなことを考えるとは、想像すらしていなかった。

人の心とは、面倒なものだ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る