第2話
美女は三日で飽きるという。
容姿だけが美しく、内面が伴わなければそうだろう。
こんな俺でも、そう思う。
俺は、毎日鏡を見るようにしている。
面は弛んでるし、頭髪も薄くなっている。
・・いやぁ、俺様ブサイク(笑)
この儀式は重要だ。
自分の真の姿を目の当たりにするのは大事な事だ。
・・でないと、勘違いしちまうからだ。
モテない男の若い頃って、
そういうのから目を逸らすことが多いと、私は今になって感じる。
下手に肉体的に若い分、心が汚い事実から目を逸らす。
女性ってのは、自分の身体を痛めて子供を産み、苦労して育てる。
男女平等とか言うが、子供のために生きるのは、やはり女性だ。
だからこそ、健全な女性は、男の嘘には敏感だ。
当然だろう、一生がかかっているのだから。
俺様がモテないのは、冴えない容姿のせいではなく、内面だとようやく受け容れられた。
だから、私と同じ非モテの諸君、嘆くことはない。
本当の意味での愛情や優しさを持たぬ、我々のような男は、女性に愛されてはいけない。
愛情を注がなかったから、愛情を注がれなかったのだ。
子を愛する母とは、異質の存在なのだよ。
今では、モテなかったことに感謝している。
不幸な妻や子を生み出さずに済んだからだ。
・・・これも、実はユキに教えられた。
いったん分かると、結構清々しい。
心がとても楽になる。
きっと
ユキとは、普通に笑ってまた会える。
なにも、思いきり盛り上がらなくても、私の嘘くさい言葉に無理に共感してもらえなくても、普通に話せることが、かけがえのないことだと、なんとなく感じた。
・・・普通って、大事だなぁ。
・・・あ、そうそう。
ユキは3日で飽きる美人じゃない。
つまり、そういうこと。
追伸
ところでねぇ、ユキ
君は激務で疲れてるんだから、律義に返事をよこさなくていい。
楽しい時は、私を無視する勢いの方が、私は幸せを感じられる。
ま、かまってくれると、実は嬉しいけど!
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