戦闘シーンより先に他の部分を徹底しよう(自戒を込めて)
前置きでは戦闘描写不要論についてお話致しましたが、今回からは戦闘シーンで読者を魅せるにはどうすればいいのかについて、他の作家様から頂いたコメントなどを参考にしながら自分の意見を語っていきます。
主観100%且つ大した実績もない素人ですので、そういう考え方もあるという風に受け取ってもらえればと思います。
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先に述べておくと戦闘シーンを作品の魅せ場にしたい場合、戦闘シーンを作成する前にそれ以外の部分を徹底して作り込むべきだと言うのが自分の意見です。これについては戦闘に限らず、色んな単語を置き換えることができます。
アクション系なら戦闘シーン。推理系なら推理シーン。ホラー系ならホラーシーン。これらは全て各ジャンルにおけるメジャーな見せ場です(間違ってたら申し訳ございません……)。見せ場であるからこそ、それ以外の基礎的な部分を作り込む必要があります。
この基礎的な部分というのがシンプルながら非常に奥が深いものでして、全てを丁寧に作り込もうとすれば膨大な時間が必要になります。私のような若輩者だと一生かかっても極めることなんて出来ないのでは?と思うくらいに。
とはいえ、今すぐ・誰でも出来ることはいくつかあります。今回はそれをメインに語っていこうと思います。
ただし、それを実践したからと言って読まれるようになるわけではありませんのでご留意ください。
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[その一・どれだけ凄い戦闘シーンも読まれなかったら意味ないので、まずは読者が設ける「合格ライン」を満たそう]
戦闘シーンまで読者が興味を持ってくれないと意味がない。至極当然ですね。解説しなくても分かるかと思います。昨今のWeb小説でインパクトがあるプロローグが重要視されているのも読者の興味を引くためです。
そもそもWeb小説って、無料で誰でも読める・書けるからこそ膨大な作品と読者がいます。そしてお金が掛からない分、いわゆる数話切りという現象がめっちゃ起きます。後半になったら面白い作品とかあると思いますが、読者はその後半に行くまでの時間で他のもっと面白い作品を読みに行った方がいいと判断しちゃうわけです。
だってお金が掛からないから。仮にお金を払って購入した作品だとしたら数話切りなんてほぼないでしょう。払ったお金分の価値があると認識しますから、数ページだけパラ見して止めるなんてしないわけです。
つまりどうすればいいかというと、作品の出だしで読者が設けた「合格ライン」を満たせばいいのです。これを満たせば読者はある程度まで継続して読んでくれます。
自分はそれをフル無視した長編ファンタジー(しかもテンプレ0&ダークファンタジー)を書いているのですが、当然の如く継続読者が殆どいませんでした……。一話切りに苦しむ日々が続いていました…………。ですが、後付けプロローグを作ってからは結構増えました。
なのでまずは読者が設定している「合格ライン」を越える必要があります。
最近だといわゆるテンプレがそのラインを簡単に超えることができる手段として多用されている印象がありますね。私の個人的な感想ですが……。
[その二・魅力的な主人公・魅力的なキャラクターを作ろう]
キャラクターが受け入れられないと読者が離れてしまいます。折角合格ラインを越えたとしてもキャラクターに好感を持てないという理由で読者が離れてしまう、なんて事態も往々にしてあります。
[魅力的=感情移入出来る]または[個性的]と置き換えてもいいかもですね。感情移入出来ないキャラクターは大半の方に受け入れられないのです。それが敵役だったらまだ大丈夫かもですが、これが主人公に当てはまるなら不味いかもしれません。例外は確かにありますし、むしろそれが魅力に昇華している場合もあるのですが、基本的には難しいかと……。
逆に言えば、魅力的なキャラクターがいるならそれだけで読者の興味関心を維持させることができます。というか魅力的なキャラクターって万能なんですよ。いるだけで作品自体の魅力を底上げしてくれるんです。推しの概念に通ずるところがあるのかな? 魅力的なキャラクターがいればそのキャラクターのファンになる読者も出来ます。
その魅力的なキャラクターが主人公であれば完璧ですね。それだけである程度の読者が継続読者になってくれると思います。しかし主人公以外のキャラクターを疎かにしていい理由にはなりません。前述した通り、魅力的なキャラクターはいるだけで作品自体の魅力を底上げしてくれるので、多ければ多いほどいいです。何人いても足りないです。
肝心な魅力的なキャラクターの作り方についてですが、んなもん俺が知りたいです。というか教えて?
…………はい、冗談(九割九分九厘ホント)は置いておいて、私としては[分かりやすく明確な目標を持っており、行動が終始一貫している]キャラクターは魅力的になりやすいと考えています。これが分かれば読者もそのキャラクターに対する解像度が高まりますからね。その目標を持つに至った経緯も丁寧だとなおよしだと思います。
あと、たまにこういうキャラ作りたいけど既に色んな作品にいる……ってことあると思うんですけど、あんま気にしなくていいと思いますよ。(差別化を図る必要はありますが)
というか、キャラクターが魅力的になるかどうかってぶっちゃけ作者様の技量に依存するので、他人の意見を参考にするのが難しいんですよね。人気になれる要素を全部持ってるのに嫌われてるキャラとかいるし、その逆も一杯いますから。なのでこういう意見もあるんだなと、頭の片隅に留めておくぐらいが丁度いいのかもしれません。
最後にオマケとして、私が勝手に意識していることを一点だけ紹介すると「全キャラクター(本編未登場も含む)にそれぞれ異なる語彙を設定する」ですかね。これについては説明が難しいので本当にオマケ程度でお願いします。
[その三・興味を持ってくれたとしても最後まで読んでもらえるとは限らない]
いわゆる「飽き」です。どれだけ魅力的で素晴らしい作品でも、飽きられたらそこで全部終わります。残酷な話ですが、これは仕方のないことです。どれだけ飽きさせないような努力をしたとしても、飽きられるときは滅茶苦茶あっさり飽きられます。
飽きとは、あまねく全ての創作活動を行う人間の宿敵なのです。
この飽きを如何に来させないかがカギとなってきます。
かくいう私も、この飽きに対する対策を未だ見つけられておりません。しかし、遅らせることが出来るかもしれない方法なら一つだけ知っています。
それは「一話毎に目新しい情報や見どころを提供すること」です。
マジで何でもいいです。ちょっとしたギャグを幾つか仕込むとか、今後の展開となる伏線や布石をさらっと提示する────気付かれなかったらあれですけど……────とか、続きが気になるような締め方をするとか。やりようはいくらでもあります。とにかく
根拠や明確なデータはありませんし、皆様がこれを実践したからと言って効果が出るとは限りません。しかし、自分はやらないよりはマシかなと思っています。
(時間がある人限定ですが、投稿頻度を上げるのも効果的かもしれません)
創作とは掛け算だというのが私の持論です。どれだけこだわって色々と作り込んでもちょっと間違えれば0になってしまうこともありますし、思い付きでポンと入れてみた要素が完成度を何倍にも押し上げることもあります。
もう一度言います。ひたすらアイデアを生み出して、とにかく全部メモしてください。忘れる前に、可及的速やかにです。そして絶対に保管していつでも見れるようにしておいてください。
それがいつか素晴らしい作品の種になるかもしれませんので。
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この創作論は引用著書や参考文献等もない、私の主観によるものです。私自身素人なので間違っている点や誤った解釈などあるかもしれません。そのときはコメント等でご指摘して頂ければ幸いです。
ここまで付き合っていただき、ありがとうございました。
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