一件落着―――え、また?
トリオデートを終え、今は家に帰る途中。
西城とは既に、学校で会おうね、なんて挨拶を交わして別れた後だ。
やけにのんびり歩く舞に合わせて、俺も歩幅を小さくして、ゆっくり歩いている。
「いやぁ、ありがとう兄ぃ!これ欲しかったんだよねぇ~」
「喜んでもらえて何より………なんだけどさ。マジでそれなんなの?」
「ぶにゃ郎だよぶにゃ郎。可愛いでしょ?」
「可愛い………?」
「えー!?」
キモカワの次元を遥かに超えたブサイク顔の猫のぬいぐるみを抱きしめながら、舞が叫ぶ。
二人が『シューティング・デッド』を終えた後、軽くアーケードコーナーを見て回ってから一階へ戻った。
既にイベントは終了していたらしく、三人で手を繋いで歩いても問題ないレベルまで混雑が解消されていた。
おかげでゆっくりとクレーンゲームを吟味する事が出来たし、二人にねだられた景品を全部取ってやることが出来た。
ま、俺のテクニックもあるがね。クレーンゲームは喧嘩と同じくらい得意なんだ。
「はぁ……西城が欲しがってたのもなんか変なヤツだったし、最近ってそういうのが流行ってるのか?」
「あー!女の子と二人っきりの時に他の女の話をしちゃいけないんだー」
「あ、すまん」
「………謝んないでよ、調子狂うし」
「なんでだよ」
ぶにゃ郎に顔を埋め、もごもごと何かを言ってくる。
………が、聞こえなかったのでスルー。聞かれたくはないが声に出したかったとか、そういうヤツだろう。俺も良くある。
「ね、兄ぃ。花火大会の件だけどさ」
「あぁ。それなんだけど………」
「私、やっぱ今年は良いかなーって」
「やっぱり約束―――え、良いの?」
「うん」
驚いて、つい立ち止まる。
メダルを投入している間も、二人の『シューティング・デッド』を眺めている間も、クレーンゲームで乱獲している間も、ずっと考えていた一件が、なぜか解決したからだ。
舞は俺を待つことなく、寧ろ歩く速度を上げて先を行く。
「私ってさ、兄ぃが大好きじゃん?異性愛的な意味で」
「お、おう……って、俺が頷くのは違うか」
「そう?ま、それはさておいてさ。前にも話した通り、私っていつの間にか兄ぃの事が好きになってたわけで。こういう事をされたからー、とか、そういうわかりやすいのが無いじゃん?だから気づいてなかったんだけど」
くるっ、と振り向く。
夕日をバックに笑う舞は、それはとても美しく、可愛らしかった。
「私って、兄ぃの約束絶対守るところが好きみたい。―――あ、勘違いしないでね?別に約束守ってくれたから惚れたとかそういうのじゃないから。あくまで好きな理由の一つって感じで」
「わ、わかった。わかったから一旦止めてくれ」
「あ、照れてる!やっぱり恋愛の基本は押して押して押しまくる!だね!」
「お前そんなキャラじゃなかっただろ!?」
「わかってないなぁ~。恋は女の子を変えるんだよ?」
つい先日までの、どこか無気力で大人びていた舞が今や懐かしい。
表情をコロコロ変え、惜しむことなく好意を前面に押し出す今の舞は、心臓に悪い。
………まぁ、全然嫌ではないんだけどさ。
「……あと、押すだけも意味ないからな」
「え、兄ぃはそういうの嫌い?」
「嫌いっていうか、純粋に経験則。他の女の話になっちゃうけど、西城とか九条とか、アタックしまくってたけどマジで効果無かったぞ」
「えぇ………」
深いため息を吐く舞。
そりゃ好きな男が他の女にアタックしていた話を聞かされたら嫌な気分にもなるだろう。
半眼で睨まれているのも、無理のない事だ。
「アレで効果なし扱いなの?」
「アレでって言われても、別に初めて会った時と特に変わりないだろ」
「………なんか可哀そうになってきた」
「だろ?なんだか泣きたくなってきたわ」
「いや、兄ぃに泣く資格無いからね?」
「え、急に辛辣!?」
同情を示してくれたかと思えば、滅茶苦茶冷たく突き放された。
その視線はまさに絶対零度。さっきまでのデレデレした態度が嘘のようだ。
「ま、良いや。帰ろ、兄ぃ。お風呂入って、ご飯食べて、一緒に寝よ?」
「混浴と同衾はまだ開放されてません」
「えー!?」
大声で文句を言ってくる舞に気づかれないように、小さく息を吐く。
花火大会の件、「絶対一緒に行く!!」って譲らないだろうなって思ってたけど、なんとなって良かった。
………いや、良かったというよりも。
「───ありがとな」
「え、何が?」
「色々と」
気になる!と追求してくる舞をあしらっていると、すぐに家に着く。
昨日が昨日だったし、なんかどっと疲れたな。
♡───♡
―――ふと思った。俺、全然フェードアウト出来てなくね?と。
開始からそんなに時間が経っていないし、作戦の性質上仕方ないところもある。
だがそれにしたって、最近の俺は目立ち過ぎている気がする。
全員の記憶から消えるどころではない。なんならより強く記憶に残ろうとしてしまっている。
それも、俺の力が及ばないところで。
何故?
自問自答しても答えは出ない。フェードアウト作戦を決意したは良いが、現時点では大きな動きを見せていない。俺は概ね、これまで通り生活しているだけだ。
とすると、変化が生じたのは周囲の人間。
わかりやすいのは舞だ。血縁関係が無いと知ったことで、前々から抱いていたという俺への想いを表に出すようになった。これは別に良い。
問題は他だ。九条も先生も生徒会長も、磯垣も西城さえも、何かが変わった。ただ何が変わったのか、何故変わったのかがわからない。
「わからない、が………だからと言ってこのままで良いはずもなく………」
屋上のフェンスに体を預け、小さく呟く。
作戦開始からちょうど一週間経ち、月曜日。静かな昼休みを過ごすべく、影を薄くして屋上まで一人でやってきた。
「もう少し強気に気配を消してみるか?いやいや、それで『なんだこいつ、急に大人しくなったぞ』って感じに注目されたら元も子もないし………」
考え事をする時は、どうしても独り言が増えてしまう。誰もいない、誰にも聞かれない状況が、口数を増やしていく。
「御堂君?」
「っ、く、九条さん?」
思考に没頭していると、突然名前を呼ばれる。顔を上げると、すぐ近くに九条がいた。
彼女は訝しむような視線をこちらに向け、腕を組んで仁王立ちしている。
ま、不味い!全然気づかなかった!!
「あ、あっはは………は、恥ずかしい所を見られちゃったね。俺、考え事してる時に独り言が多くなっちゃう
「いいえ、何も。喋っている、という事しかわからない程度の声量だったもの。それに、盗み聞きはあまり好きではないの。されるのは勿論、するのもね」
「そ、そっか」
嘘を吐いている様子はない。というか、九条はこういう時に嘘を吐くタイプではない。
どうやら、本当に聞かれていなかったようだ。
―――よ、良かったぁ。作戦の事が誰かにバレたら、その時点で詰みだからな。
安堵のため息を吐き、咳払いを一つしてから改めて九条に向き直る。
「それで、何か用かな?」
「用、というほどでは無いのだけれど」
視線を逸らしながら、九条はずっと手に持っていた包みを差し出してきた。
「その………一緒に、食事でもどうかしら」
「―――へ?」
♡―――♡
「おはよう、九条さん!」
朝、爽やかな笑みを浮かべた蓮司が、明るい声で挨拶する。
玲香はそれを一瞥もすることなく、また返事をすることもなく、静かに読書を続ける。
完全に無視されたが、蓮司がそれで止まるはずもなく。
「今日は暑いね。梅雨も明けたし、そろそろ夏かな」
「………」
「おい、アイツまたやってるぜ」
「バカだよなぁ。あの『冷血姫』相手に、よくも飽きずに……」
ヒソヒソと陰口を叩かれるが、蓮司の耳に届く事は無い。この時の彼は、都合の良い物しか見えなかったし、聞こえなかった。
同級生たちの憐みと嘲りの視線も言葉も、彼には無いモノとして扱われていた。
「ね。九条さんは今、何を読んでるの?小説?それともエッセイとか?」
「………御堂蓮司君、だったかしら」
「!うん。覚えてくれたんだね」
本を閉じ、蓮司へ視線を向ける。
玲香がついに反応を示したという事に喜びつつ、それを表に出し過ぎないように意識して、彼は静かに頷いた。
「迷惑だわ。私が本に集中している事くらい、見ればわかるでしょう」
「うっ……それに関しては、ごめん。邪魔されたくない時って、あるよね。―――でも、俺は九条さんと少しでも話したくってさ。ほら、本読んでない時に話しかけても、大体一方通行だし」
「ええ。私にとって邪魔されたくないタイミングは二十四時間全部で、あなたからの声かけは内容の如何に関わらず全て迷惑行為だもの」
「は、ははは……手厳しいね」
苦笑する蓮司。
玲香は言いたいことは言った、と読書を再開する。
しかしここは御堂蓮司。引き際と身の程を知らない彼が、ド直球に「迷惑」と言われただけで諦めるはずが無く。
「でもさ、九条さん。俺はどうしても九条さんと話したいんだ。どれだけ迷惑に思われても。例え、そのせいで今以上に嫌われるとしても」
「―――おかしな事を言うのね。あなたの行動は、人に好かれる為のモノと見えていたけれど」
「そりゃ好かれるのが一番だとは常々思っているよ。理想論にはなるけど、みんな仲良しってのが一番幸せだろうからね」
「………頭がお花畑、なんて表現がここまで似合う男がいるとは思わなかったわ」
「頭を花で彩れば、九条さんも少しは俺に興味を持ってくれるかな―――ごめん、今のは良くなかったね」
冗談めかして言ってみるも、露骨に嫌そうな顔をされたのですぐに謝罪した。
「まぁ、理想論はともかくさ。仲良くなれないにしろ、会話がしたいんだ」
「なぜ?嫌われるだけだとわかっている会話に、意味など無いと思うけれど。もし嫌われたい、というのならそれこそ無意味よ。名前を覚えるくらいに、私はあなたを嫌っているのだから」
「嫌われたいなんて一度たりとも思ったことはないよ。―――俺はね。九条さんを知りたいんだ」
「………は?」
体が蓮司の方を向く。
これを好機ととらえた彼は、定めた『目的』を達成するため言葉を紡いだ。
「噂も、外見も、ほんの少しの挨拶でさえも―――それでわかるのは、その人の一側面だけ。確かに、その一側面さえわかれば十分なケースもある。というか、普通はそれだけで良い。でもね、九条さん。俺は九条さんが好きなんだ」
「………ごめんなさい、無理ね」
「あぁ、いや。告白とかじゃなくってさ。好きか嫌いかならどちらか、っていう意味。まぁ、基本的に嫌いの枠に入る人はいないんだけどさ」
「そう。私がその区分を行えば、あなたは嫌い枠の最奥に位置するでしょうけど」
「じゃあ俺は九条さんにとって一番の男ってことだね」
またしても嫌そうな顔をされるが、今度は謝罪も撤回もしない。
「せっかく好きの枠に入っている人なんだから、楽しく話がしたい。話をするなら、その人の事をより深く知りたい。その為には、まず会話が必要になる。―――俺が九条さんと話したいのは、そういう理由だよ。九条さんの事を知りたい。たとえ嫌いの枠に入れられているとしても、迷惑がられているとわかっていても………。でも、ずっと不快な想いをさせるのは本意じゃない」
だからね、と言いつつ、スマホを取り出す。
何となく続く言葉を察しつつも、玲香は何も言わずに蓮司の口から言われるのを待つ。
「直接話す機会を減らす代わりに、メッセージアプリでやり取りしよう」
「お断りよ。要するに、連絡先を交換したい、って事でしょう?」
「まぁ、平たく言えばそうだね。―――でも、悪い話でも無いと思うよ?メッセージアプリなら、通知さえ切っておけば話しかけられるよりも鬱陶しくない。本を読んでいない時、時間に余裕がある時、見てもらえればそれで良い。見られたかどうか、こっちからも確認できるし。返事だって無理に返してこなくって良い。たまには欲しいけどね」
「………」
考え込む素振りを見せる。
「もしかして」と教室中の生徒たちが固唾を飲んで見守る中、玲香は何も言わずにポケットへ手を入れた。
そして、取り出されるスマートフォン。
「癪だけど、その口車に乗ってあげる。連絡先一つ渡すだけで、あなたに話しかけられなくなるのでしょう?」
「頻度を減らすってだけだよ。文面でのやり取りだけじゃ、わからない事だってあるでしょ?」
「………まぁ、良いわ。下手にごねる理由もないし。その代わり、返事に期待しない事ね」
「わかってるよ」
簡単な操作の後、二人の画面には互いのアカウントが『友達』として表示された。
『冷血姫』の連絡先を持つ勇者が、ついに現れたのだ。
「………ニヤニヤして、気持ち悪いわね」
「だって、一歩進展って感じじゃん」
「………はぁ。もう良いでしょう?連絡先を交換したんだから、今日はもうこれ以上話しかけないで」
「わかったよ。―――じゃ、またね」
爽やかな態度を崩すことなく、蓮司はその場を後にする。
玲香は彼の態度に不服そうな顔をしつつも、最終的には溜息一つ吐いて本に意識を集中させた。
『冷血姫』九条玲香が陥落する、二週間前の出来事である。
♡―――♡
昼休み、屋上。俺は九条と一緒に、弁当を食べていた。
九条の手作りを、体が触れ合うような距離で。
「美味しい!コロッケパンの時も思ったけど、九条さんって料理上手なんだね」
「レシピ通りに作っただけよ。特に工夫をしたわけでも無いわ」
九条が持っていた弁当は二つ。流石に元々一人で食う予定だったって事は無いだろうし、俺の為に弁当一つ作って来た事は間違いないだろう。
俺を嫌いだと公言している、あの九条が?
弁当も理解が及ばないが、それ以上にこの距離感。
なんでわざわざ俺のすぐ隣に座ったんだ、コイツは。
わからない事、あり得ない事が起こり過ぎて、頭痛がしてきた。
「………レシピ通り、では、あるのだけど。何か……要望は無いかしら?」
「アドバイスって事?まぁ、特に言う事は無いけど………強いて言うなら、もう少し濃い味でも良いと思う、かな?」
「そう。他には?」
「他も何も………九条さんの好きなように作るのが一番なんじゃないかな?」
野菜を減らして揚げ物を増やして、とかは完全に俺の趣味だし。言ってもしょうがないよな。
九条は俺の言葉を聞くと、一言「わかったわ」と言って頷いた。
「じゃあ、あなたが好きなおかずは何?」
「弁当の、って事?」
「ええ」
「うーん。俺が好きなのは唐揚げとかハンバーグとか、ウインナーとか……だし巻き卵とかも好きかな」
「全体的に子供っぽいわね」
「良く言われる」
中学時代、同じような話を西城とした時にも小馬鹿にされた。
その癖、以降のアイツの弁当が茶色一色になって、食べきれないからとか言って半分くらい俺に分けてくるようになって………アレは多分、俺の子供っぽいところを弱点と判断して、集中砲火してきたつもりだったんだろう。
だが残念だったな。当時の俺は、弱点ではなくギャップだと思って、寧ろ大っぴらにしていた。
自他ともに認める完璧超人、いや、完璧超イケメンな俺が、子供舌というギャップ―――ますます俺という深みに嵌る女子が増えちまうぜ。なーんて考えていたのも今では懐かしい。
まぁ、なんだ。つまり俺は全くもって負けていないって事。
………ライバル関係はもう終わったってのに、何を言ってるんだか。
「ありがとう、参考にするわ」
「うん。でも意外だね。九条さんって、あんまり揚げ物とか好んで食べるイメージ無かったけど」
「私はそれほど食べないわね。少し食べるだけで、胃がもたれてしまうから」
この歳で?と思ったが、ここは何も言わず堪える。流石に失礼だからな。
「とにかく、ご馳走様。すっごく美味しかったよ、ありがとう」
「お気に召したのなら、何よりね」
「…………えっと、俺って今日誕生日だっけ」
「何を言っているの?あなたの誕生日はもう過ぎたでしょう?」
「いや、わかってるけどさ………え、まって九条さん、俺の誕生日覚えてたの?」
「最近知る機会があっただけよ。―――思えば、あなたは自分の事は滅多に口にしないわね。誕生日も、あなたから直接聞いたわけではないし」
罵倒が無く、距離感が近く、弁当はくれるし優しい。
明らかに今までの九条と違い過ぎて、まさか誕生日だから優しくしてくれているとか?と考えたが、全然そんな事は無かった。
が、同時にまた一つ疑問が生まれた。
俺の事を嫌いと言って憚らず、あらゆるアプローチに対し拒絶を繰り返してきた彼女が、教えてもいない俺の誕生日を何故か知っている。
え、どこ情報だよ。俺の誕生日なんて、マジで家族くらいしか知らないはずだぞ?
…………これ、西城の時も思ったな。教えたわけでも無いのに家にプレゼント持ってやってきて、そのままパーティーに参加していったっけ。
アイツの場合は母さんと交流があって、そこから情報を聞いたって話だけど………九条と母さんって、面識ない、よな?
「自分の事ばっかり話す人って、嫌われやすいし」
「話せば『会話』が円滑に進まない。『会話』をしてもらえない……ね。あなたらしいわ。―――それは良いとして、何故急に誕生日なんて気にし始めたの?」
「生憎、人から弁当一つ渡されるなんて経験した事無かったからさ。こうも良くしてもらえると、特別な事情があるんじゃないかって」
「………意外ね。あなたの事だから、手料理くらい食べ慣れていると思ったけれど」
意外も何も、手料理を振舞われるような機会なんてそんなに無いと思う。
バレンタインデーを除けば、それこそ家族か西城くらいにしか振舞われた事が無いな。
「弁当を渡したのに理由が無い、と言えば嘘になるわね。言うなれば、着手金かしら」
「何か頼み事、かな?」
「頼み事、というよりも、お願い………と言った方が正しいかもしれないわね」
九条と目が合う。綺麗な目だ。曇りが無く、宝石みたいな輝きを感じる。
ただ、今の彼女の目には、前まであった冷たい雰囲気が無いような―――
「ねぇ、御堂君」
「うん」
「来週、花火大会があるのだけど、知ってる?」
「………うん?」
雲行きが怪しくなってきた。
嫌な予感、というか確信を抱きつつ、一応最後まで黙って聞き届ける。
「もし、あなたが良ければ…………。一緒に、行かない?」
微かに頬を朱に染めつつ、投げかけられた問い。
きっと、これが別の誘いなら、俺は食い気味に頷いていたことだろう。
フェードアウトする事さえ忘れて、この誘いに乗っていたことだろう。
だが、花火大会。
既に西城と約束していて、舞を断ってしまった以上、九条の誘いに頷くわけにはいかない。
―――いや、なんで皆して花火大会に行きたがってんだよ。花火ってそんなに人気だっけ?
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