第5話 あとがき

 この作品はフィクションであり、刀を斬る動作を野球のスイングと見たて考えました。


 余談になりますが「盗塁を刺す」という言葉があり、「刺す」とは元々戦などで使われる言葉です。他にも「併殺」や「死球」など、一見人聞きの悪い言葉が使われています。野球は明治時代に日本に輸入され、マイナーなスポーツとして一部の間で娯楽としてプレーされるようになりました。しかし「strike out」などの英語は競技中に使われていましたが、戦時中に使用が禁止され、強引に日本語に訳さなければならず、結果訳した人は「危ない競技だ」と思ったのか、先述のように「死」や「殺」などを用いた言葉が生まれてしまったと思われます。

 

 話は変わり、現代人は当たり前ですが刀を帯刀しないようになりました。しかしその代わりに何を所有するようになったのか。それは携帯電話です。人々は通信手段を手にし、自分の身を守るという目的ではなく、誰かと繋がることを目的とするようになりました。果たして未来の人々は何を携帯しているのでしょうか。時代の変化は実に面白いものです。


 最後に本作品にも取り上げましたが、自分の存在が発揮される場所とは一体どこなのか。それは分からない人がほとんどだと思います。しかし今の状況を変えるには、何かを変えなければなりません。魚は広い海をひたすら泳いでいます。だがよく考えてみると、彼らの存在意義とは一体何なのか。美味しく食べてもらうため。あるいは捕食され食物連鎖の一部になるためなのか。そう考えてみると彼らの存在意義は「泳ぐため」なのかもしれませんね。

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刀の名手久兵衛 にゃーQ @inkyasennin

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