秘密基地
@kodaitiseiryu2024
第1話 秘密基地
僕は今大都会の真ん中に位置する、鈴蘭学園の前で佇んでいる。
僕は普通の頭脳に、普通の身体能力のなんの変哲もない一般人だ。
物語の語り部をやっているからって、特別な要素がある訳ではない。
まあこの学校鈴蘭学園は、生徒二千人が通っていて、俺はその学園に今日から通う事になった。
鈴蘭学園は卒業したらそれだけで、就職活動をしなくて済むのだ。
まあ僕的には、どうでもいいけど。もう4月も終わりかけで、編入には丁度いい(個人に寄る)と思っていたからな。
何事もなく済めばいいんだけどな…まあ大丈夫だろうな、はぁ~。
学園の中に案内されて入ったのだが、入ってみてびっくりした。途轍もなく設備が豪華だったのだ。
自己紹介がまだだったね、僕の名前は黒雨圭介(こくうけいすけ)高校一年生だ。
鈴蘭学園は、周りは高級住宅街が並んでいる。
✡
僕は一人で学園生活を過ごしていた。虐められてる訳ではないと信じたい。
まあ少しでも早く打ち解けられるといいな。
そんな事を思いつつ過去を思い出していた。この学校来る前は普通で平凡だった。
まあ今でもそうなんだけどね。まあ仕方ないよな、こんな性格じゃあね。もっとも変わりたいと思っても、今での性格はどうしても変えられないよな。
いつも陰気で一人ぼっちで、友達もいない、友達なんて作っても無駄。そんな風に思っていた。
だから友達もいなかった。それを普通の様に受け入れていた。ただ一人でいるのよかった。
僕は孤独も悪くないと思うよ。確かに友達が居れば楽しいかもしれない。でもナンラカンヤでトラブルや喧嘩が起こるものだ。
孤独は時に正義かもしれない。
「なあ、圭介?だったなあ。俺の名前は郷里楽(ごうりらく)だよろしく」
郷里君という身体がゴツくて、強面の男子生徒だった。でも何の用だろう?
郷里君は少し目線を反らしてまた合わせると。
「圭介、俺が学園を案内してやるよ」
郷里君はそう言うと、僕の返答を待っている様だった。
「ありがとう、じゃあ案内してくれる?」
「なあ圭介、お前この学校来る前はどこいたんだ?」
郷里君はそう訊いてきた。でもなんか嫌ではなかったなんか不思議な感じで、驚いた。
その感情が伝わったのか、郷里君は
「なんか驚いてるのか?」
そう訊いてきた。まあなんで驚いたのかは知らないだろうけど。
「いや少し不思議な感じがしてさ、僕はこの学校の前は大阪の八尾市に住んでいたんだ」
「へえ、大阪なのに関西弁じゃないな」
「父さんと母さんは俺を産む前は、埼玉に住んでいたんだ、だから関西弁じゃないんだ」
「そうなんだな、そういう事もあんだな。友達はいたか?」
「いやいなかったけど」
「じゃあ、友達になってくれ」
僕は驚いた、こんな詰まらない奴を友達にしたいなんて奴がいるとはな。
なんで友達にしたいなんて言ってくれたのかな?嬉しい。
郷里君は少し照れくさそうにしてた。まあ僕は嬉しいよ本当に。
「じゃあ郷里君友達になろう」
「ああ、楽でいいぜ」
「楽よろしく」
こうして友達ができたんだ、それが嬉しかった。初めての友達だから。
楽が初めての友達で嬉しかった。いい友達になるそう思った。
それから一ヶ月が過ぎた、楽と一緒は楽しかった。色んな所に行った。
水族館や動物園。映画館にゲームセンター、楽しい日々だった。
もう春も終わりがけで、桜も散っていて、葉桜になりかけていた。
楽は何処に出かけるのにも付き合ってくれた。楽も楽しそうだった。
笑う顔はどことなく可愛かった。楽しい気持ちが伝わったような気がした。
「お兄ちゃん、起きてよお兄ちゃん」
高校一年生の双子の妹でチャイドルの花織が起こしてくる、もう朝か…そういえば父さんと母さんは海外に居て、家には居ないけど、花織はご飯作れなかったな。全く嫁の貰い手が無いぞ。
「お兄ちゃん早く」
僕は起きると先ずは顔を洗って、歯磨きして手を洗って台所へ向かった。
朝御飯は、卵焼きと焼き鮭、納豆と味噌汁を出した。
そして食べ始めた。
「お兄ちゃん、今日僕は帰り遅くなるの、だから僕の部屋に勝手に入らないでね。ドラマの撮影とかモデルの仕事とかね」
馬鹿かお前は、そもそも妹の部屋に勝手に入るなんて、シスコンがする行為じゃねーか。そんな性癖持ってねーよ。とツッコミたくなるのを我慢した。
確かに、顔、身体、声、胸と全てが女優みたいなステータスなのだ。
「お前の部屋なんて入らねーよ、絶対、死んでも」
いや普通に他の奴らなら、喜んで入るんだろうが、兄である俺からすると、どんなに可愛くても妹は妹に過ぎない。
「そっ、じゃあお兄ちゃん、仕事終わったら一緒に風呂入る?」
なんで妹と風呂に入らなにゃらんのだ、頭大丈夫か?
リアルに無いわ~、他の奴らなら喜ぶな。
「入らん、早くご飯食べろ」
「は~い」
と花織はつまらなさそうに言った。
学校に着くと、楽の所に行った。
「楽おはよう。」
僕は楽に話しかけた。
「おはよう圭介。今日さあ裏山行こうぜ。いいだろうなあ、いい場所見つけたんだよ」
「別にいいけど」
「それより、昨日の宿題やったか?俺は忘れてさ。写させてくれないか?お礼に今日昼飯奢ってやるからさ」
「いいよ」
楽はたまに宿題を忘れてくる、だからこうして写させてと言ってくる。嫌じゃ無いからいいけど。
こうしてると、友達みたいでいいよな。
「楽は彼女とかいるの?」
僕は何気なく訊いてみた、楽は間を開けると
「居ないぜ、そもそも男女問わず、恋愛興味無いから」
なんでか淋しげに聞こえた。わかりはしないけど、女絡みでなんかあったのかな?想像してみたが思いだせないな。
「そうなんだ、僕も居ないから一緒だな」
「それより、夏休みさあ昼ご飯によく、素麺が出てくることないか?」
「確かに素麺多いよね、僕は素麺好きだから、よく作ってるけど」
「お前ご飯作ってんのか?」
「まあね、海外に両親が居て家には居ないからね」
「じゃあ弁当作る事出来るか?」
「出来るよ」
「それじゃあお願いするぜ」
「いいよ」
先生が来たので席に着く事に
「お兄ちゃん、ちょっと部屋に来て」
楽と遊び終わり帰って来たら、花織に誘われ部屋に入る事に。
「用はなんだ」
僕は普通に訊いた。
「このゲームやってみて」
言われるがままにゲームをする事に。RPGだけどなんか有名なRPGとは違うし、ゲーム名はアポカリプスという。
しかし知らんなこんなゲーム。
まあやるか、まずは名前を決める所から。こくうと本名を入力。そしてプレイ。
まずは王様が主人公に7つの宝玉を集めろ、というばめんから始まり。
それから武器を買って、ダンジョンへ
プレイする事1時間ようやく一面が終わった。
しかし内容がちょっとちゃっちいな。何ていうか子供が作ったみたいなのが丸出しなゲームだった。
キャラ設定も風景も中二臭かった。
「なあ、このゲームさあなんかプロが作ったと思えないクオリティーなんだけど」
「内容とか、プレイしてなんか思った事ある?」
「いや、内容分かりにくい。だって7つの宝玉集めたら次は5人の精霊を味方にしろだの、面倒くさい」
「やっぱりか、せっかく友達と作ったのにこんなんじゃな」
えっ…今作ったって言ったか?このゲームを…
「お前が作ったのか?」
「まあね。そんな事より。楽さんだっけお兄ちゃんの友達。楽さんにもお兄ちゃんが居ない時に来たから、プレイして貰ったら同じこと言ったよ」
楽も同じ事を思ったんだな。そりゃな素人が作ったんだ、当たり前だ。
「あのね、ゲーム制作を手伝って欲しいの」
そりゃまた突然。まあ暇だし、チャイドルとしての時間を含めると、ゲーム制作の時間は少ないだろうし、いいか。
「ああ、いいけど」
「圭介お前一緒にバンド組まないか?」
は???何なのこの展開、ゲーム制作の次はバンド???この小説何なの?
そもそもいきなりバンド組まないかなんて、要素積み込みゃ面白いって考え丸出しだな。
「バンドか…いいけど」
了承しちゃう僕は…
秘密基地 @kodaitiseiryu2024
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