第9話 大学


大学が始まってオリエンテーションが始まると、そこら中サークルの勧誘だらけになった。


黎明はすごく目立ってしまっていた。それはなにかと隣にいる暁と、暇があれば絡んでくる三木のせいだった。


黎明自身も目立っていたのだが本人は全て暁と三木のせいだと思っていた。

三木は大学では有名人であった。有名な一つの理由はいつまでも卒業しない人というのと、そのビジュアルだった。黙っていれば彫刻のように整っていて近付きにくい芸術家のようであるが、実はとても気さくな人間なので多くの人に好かれていた。


黎明と暁が三木のバンドのボーカルとピアニストであると言う噂が広まると鬱陶しい勧誘からは逃れられて助かった。


一年生の初めはクラスがあった。黎明も暁も20組だった。言語で分けられていたようで希望調査をした時に黎明も暁もドイツ語を第一志望にしていたのだ。黎明がドイツ語を選択したのは、蓮がよくドイツ人の本を読んでいたからだ。暁はメジャーな言語は全て習得していたので、黎明と同じクラスになるためにドイツ語を選択しただけだった。ドイツ語は難しいと言われていたので、第一志望にする人が少なく、抽選で落とされることなく希望が通った。


はじめてのクラス会は、大学近くの人気のピザ屋で開催された。黎明は友だちができるかも知れないと仏頂面のままそわそわしていた。

大学のクラスの顔合わせですでに自己紹介はしていたのでお互いにすでに名前で呼び合っていた。黎明と暁の名前だけは全員が覚えていた。そして黎明と暁だけは全員の名前を覚えていた。

クラス会は学校に通ったことがない暁にとってとても興味深いものだった。でもどこの場所でも人間の性質というのはさほど変わらないものである。

誰よりも早くサラダをとりわける女子の競争。お互いに品定めをする女たち。そしてそれをさらに品定めすると男たち。

わかりやすく擦り寄ってくるような女はここにはいない。みな狡猾なのだ。狡猾に獲物を捕らえる機会を狙っているのだ。それに比べて男は馬鹿である。サラダ取り分け女に「気が効く〜」なんてほめそやしてコミュニケーションのチャンスを探っているが、喰おうとしている自分が喰われていることに気付いていない。サラダ取り分け女は黎明に比べたら凡庸でしかないが普通に見たらそこそこ整った顔立ちで、いつも良いところを持って行くタイプだろう。サラダを取り分けながらも黎明をちらちらと意識している。黎明は一度もトングを握ろうとしなかった。ひたすら隣の女の子のコップが空になったらウーロン茶を注いでいた。なんて可愛いんだろう。

ウーロン茶を注がれている方でない、黎明の隣に座っている女は、黎明にひたすら根掘り葉掘り質問をしている。あれはフレネミーだ。暁は確信した。フレネミーとは、悪意を持って貶める目的で友だちのように近づいてくる奴のことだ。粗探しをするために質問をしているだけだ。黎明は困りながらウーロン茶を注いでいる女の子を話しに巻き込もうと必死である。近いうちにフレネミーのハルカは何か仕掛けてくるだろうと思った。


ウーロン茶を注がれているのは穂積という名前だった。黎明はハルカの質問攻めに辟易しながら穂積との話に移行しようと必死だった。穂積は長野生まれだった。家族で登山が好きで、登山の写真をたくさん見せてくれた。海外でも登山をするそうで、スイスに旅行に行った時の写真はあまりに美しく、目を奪われてしまった。穂積は写真を撮るのがとても上手だ。どんな道具が必要で何日かけて行くのかなど、話が詳細になっても黎明はとても楽しく聴いていた。ハルカは話についていけなくなると興味を失ってターゲットを探して目を泳がせはじめた。


黎明は穂積と友達になれてとても嬉しかった。暁と席が離れていて本当によかった。暁はどうしているかというと整った非の打ち所がない完璧な角度に口角を上げて、目を細めたりしながら周囲の男子や女子と話していた。


「暁は高校どこだったの?」

「親の仕事で海外を転々としてたので、日本の高校には行ってないんですよ。」


女性陣の目がギラギラと光った。

黎明はそういえば暁の両親のことを全く知らないと思った。両親の眼も金色なのだろうか。もしかしたら自分のルーツと何か関係があるかも知れないと思った。


「何ヶ国語話せるの?」


サラダ取り分け女が聞いた。


暁は適当に

「使えるのは5カ国語くらいですかね。」


と答えた。


「何語話せるの?」と今度は隣の男が聞いてきた。


「喋れるって言ってあんまりできなかったら恥ずかしいじゃないですか。」と、暁が笑うとどっと笑いが湧いた。



クラス会は夜8時半時くらいに解散となった。二十歳を超えた浪人勢と数人の男子は二次会で飲みに行ったみたいだが、入学早々未成年飲酒をおおっぴらにするほどに馬鹿ではなかった。


会が終わってみんなで精算しているときにいつのまにか黎明は自分が暁の隣にいることに気づいた。無意識に隣に行ってしまったのだ。


暁が「帰ろうか。」というと黎明はホッとした気分になった。


暁とは待ち合わせをしたこともないし授業の日程を合わせたりしたこともないのに暁は大学にいる時いつも隣にいた。暁は黎明を独占していた。暁はまるで黎明が他の人間との関係を気付くのを阻止しているかのようだった。


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三木は顔が広いので、暁と三木がいる時もよく通りがかる人たちと挨拶をしていた。その日は珍しいアスミという女性が三木の隣に座った。


「初めまして〜アスミです。美学専攻です。泰生からは、黎明ちゃんの話よく聞いてるよ。」


「初めまして。こんにちは。美学、面白そうですね。」黎明は丁寧にお辞儀をして、微笑んだ。


アスミは黎明を観察していた。アスミが今まで積極的に話しかけてこなかったが今日来たのは、黎明の悪い噂を耳にしたからである。「男としか話さない」とか「三木と暁に二股をかけている」とかその類の悪口である。


暁はそのアスミを観察していた。アスミと眼が合うと微笑んだ。アスミは少しゾッとした。こいつは私を見透かしていると思った。

アスミは暁の視線を無視して続けた。

「美学なんて何の役にも立たないとか言われて散々だけどそう言ってくれて嬉しいわ。」


「泰生とは専攻が違うけれど何回か個展を一緒に企画したことがあるの。」


「ああ、個展」


「あれ俺個展の話したことある?」三木泰生が言った。


「ううん、この前θεαの店員さんが言っててたので。」


アスミが今日その席に座ったのには他の理由もあった。明らかに三木に元気がないのだ。黎明ちゃんが自分の話題に興味を持った途端声に力が出てくる三木はすごくわかりやすい男だ。三木に元気がないのは暁のせいだとすぐにわかった。暁は黎明に対し明らかに距離が近い。対する黎明は全く無頓着な様子である。


アスミはずっと三木が好きだった。アスミは三木の二つ下だったが、大学の会報に出したアスミの論稿を三木が非常に気に入ってわざわざアスミのゼミに乗り込んできたことがきっかけだった。三木はアスミと友人である間も何人かの女性が近付いてきて三木と関係を持つこともあったが、どんな時もアスミはただ友人としての立ち位置で三木のそばに居続けた。アスミはそれ以上は求めなかった。アスミは三木がずっと黎明しか見ていないと知っていた。


でも黎明の噂を聞いて自分の目で見てみたくてしょうがなくなったのだ。


「そうだ黎明ちゃん。この前三木にメイクしてもらった時の写真見たわよ。」


「あれ見せたんですか先輩」

と黎明は真っ赤な顔で三木に言った。

シーツをぐるぐる巻きにしたような服を着せられた後、撮影されたのだ、しっかり背景と照明まで付けて本格的に撮影された。スクロールや照明機材まで家にあるのだから「アトリエだ」という三木の主張もあながち嘘ではなかったのだ。


「あれで大学行かせようとしたなんてほんと信じられないわよね。『ありだろ?』って泰生が見せてきたもんだから絶対になしって言ったわよ。でも、あの写真はすごくよかったわ。」


「それは俺の技術だな。」


「被写体が良いからよ。」


とアスミは言った。

結局メイクは自分でネットで調べながらやったのだというとアスミは今度一緒に買いに行かないかと黎明に提案した。

暁はあからさまに嫌な顔をしたがアスミは無視してスケジュールを合わせはじめてしまった。


黎明は今週末はどうかと提案した。

初対面のアスミに対して意外に積極的な黎明に3人とも少し驚いていた。


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アスミとは、新宿の百貨店で待ち合わせをした。アスミはベリーショートの髪に真っ赤な口紅と大ぶりのピアスがトレードマークのとても印象的な女性だった。黎明はアスミがとっても綺麗だと思って、憧れを抱いていた。


待ち合わせ場所に立っていた黎明を遠目に見てアスミは苦笑してしまった。頭のてっぺんから爪先まで三木のプロデュースなのは丸わかりだ。彼女の魅力を最大限に活かしたそのワードローブは三木が彼女をどんな眼で見ているのか嫌でも意識せざるを得ない。

「はぁ。私何してんだろ。」アスミは自分が好きな男が好きな美しい女がもっと美しくなるために今日わざわざ来ているのだ。


薄い化粧で少し幼く見えるがそれがまた愛らしい。ミステリアスな雰囲気なのに愛らしさが共存している。


彼女と眼が合うと彼女ははにかんだ。彼女はあまり自分を出さないようにしているように見えた。溢れる無邪気さを必死に抑えつけたような笑みだった。


彼女は良い子だなと、アスミは思った。


アスミは黎明に手持ちのメイク道具を聴きながら、百貨店の化粧品売り場を見に行った。「デパコスっていうのよ。デパコスは女の子が戦いに行く時の鎧や剣と同じよ。」そういうと、黎明は「ふふっ」と笑った。


「三木先輩みたいです。三木先輩も大学でマウンティングマウンテンの下敷きにならないように最初こそ重装備じゃないとだめなんだって力説してました。」


「マウンティングマウンテンって何よ。あはははは。何にも気にしてないように見えてもちゃんと観察してるのね。笑えるわ。」

アスミ声を立てて笑っていた。


アスミは最近の大学生に何が人気なのか、三木が使っているのはどんなブランドだったのか、高いものを買った方が良いもの、プチプラでも良いものなど、色々なことを教えてくれた。


黎明は想像以上に色々な道具が必要なんだと知って、早くバイト探さないとな、と考えていた。


アスミは言った「マウンティングマウンテンの下敷きにならないようにするのも大事な時もあるけどね、でも人と競い合って綺麗になることなんて本当はないのよ。女の人はね、誰か自分が大切な人のために綺麗になろうと思う時が1番輝くのよ。」

黎明はアスミも誰かのために綺麗で輝いているのかなと思った。

「黎明ちゃんは、誰か、その人のために綺麗になりたいって人いる?」


黎明は突然の問いかけに目を見開いたがそのあと直ぐに目を伏せ目がちにして唇を噛み締めた。


(うわっこんな顔するんだ。いるのね彼女にこんな顔させる人が)


「私もアスミさんみたいに綺麗になりたいです。」

アスミはその相手が誰であろうと、アスミにとって黎明が恋敵であろうとどうでも良くなってしまった。この子がもっと綺麗なってその人の隣で微笑んでほしいと心から思った。

黎明はとっても可憐で愛おしかった。


彼女に似合いそうなブランドは女子大生に人気のブランドではなかったけれど、彼女のエキゾチックで独特な雰囲気にぴったりだった。美容部員は彼女の顔を見ると目をギラギラ輝かせて腕まくりをしてフルメイクをしてくれた。最後に彼女に合いそうな口紅を3種類選んでくれた。あまりにタイプが違って黎明もアスミも戸惑ってしまった。黒に近い紫色、ワインレッドのような深い赤、そして強い赤だった。どれも普通の人がつけたら唇だけ浮いてしまうような色だった。でも、試しにつけてもらうとどれもよく似合ってしまうのだった。黎明は深い赤を選び購入することにした。


アイシャドウも気に入っていたが、バイトをしてから買おうと思った。アスミが使ってない貰いもので似た色を持っていたから譲ると言ってくれた。



買い物が終わってから一息をつこうということになり、2人はカフェに入った。


小さいケーキをシェアして食べて黎明はお姉さんができたみたいでとっても嬉しかった。


他愛もない話で盛り上がっていたところ、アスミの携帯に連絡がきた。三木と蓮が新宿に来てるから一緒にご飯を食べようとのことだった。


黎明は蓮と会うのは引っ越し以来久しぶりだった。蓮もおじさんも新年度でかなり忙しかったみたいだ。


待ち合わせは同じビルのレストラン街だった。アスミと黎明が先に着いて待っていると、三木と蓮がやってきた。三木も蓮も黎明を見ると絶句していた。あどけなさが残る少女だったのに美しい1人の女性になっていた。艶やかな唇が妖艶さも感じさせた。


「アスミ、お前天才かよ。」と三木が言った。本当なら複雑な気持ちになったはずだが、今はアスミは蓮の顔に釘付けだった。真木蓮のそんな顔をアスミは一度も見たことがなかった。彼の表情は非常に読み取りずらい、でも女である私にはその熱を帯びた視線が真っ直ぐに黎明に向いていることに気付いた。

真木蓮は女性に関心を示したところはそれまで一度も見たことがなかった。


アスミは黎明が蓮の視線から逃げて眼を伏し目がちにして唇を少し噛み締めたのを見逃さなかった。


そして黎明はもう一度蓮を見ると口角をキュと上げてニコリと微笑んだ。


それはさっきアスミが教えたのだ。好きな人に見つめられたときはこうするのだと。


眼を逸らしたのは蓮だった。そして、ごめんちょっとと言って席を立った。

アスミは一人でゲラゲラ笑っていた。

黎明は顔が真っ赤だった。

三木だけは何が起こったか分からずゲラゲラ笑うアスミを訝しげに見ていた。


しばらくしてから蓮は戻ってきた。


食事の間アスミは蓮と三木の武勇伝の数々についてご機嫌で語っていた。


「マキミキは高校でも大学でも知らない人はいなかったわ。マキ派とミキ派があってね、仲が悪くて人気取り競争を派閥間で勝手にしてたの。」


と、アスミはいかに二人が有名だったか話してくれた。アスミが二人と知り合ったのは大学の時であったが、高校生の時から、他校のアスミにもその噂が流れていたという。


「噂って言ったら蓮の方が俺なんかよりもっとすごかったよ。」


蓮が「おい。」と、三木を睨む。


気にせず三木は話し続けた。


「こいつのお陰で、中学からまずいじめがなくなったでしょ、そんで、中学の時の奴らが高校でいじめられてたらそいつらも潰して高校からいじめがなくなった。こいつバカ強かったから。超人とか言われてたよな。」


「三木、それ以上話すと…」

酒が入った三木は止まらない。


「男なんてみんなバカだからさ。意味もなく超人に挑戦しようって奴がバカバカ出てきてさ。一時期こいつはリアルにストリートファイターだったよ。」


そこまで聞くと黎明はじっと蓮を見つめた。「黒豹」のことでおじさんに叱られた時蓮も一緒にいた。自分が同じようなことをしておきながら何食わぬ顔で叱る側に立ってたのか。こいつめ!


蓮は無頓着な顔で黎明の視線に気付いていながら肉を頬張っていた。


「なんかお前らそっくりだよな!」

三木がいうと今度は黎明は三木を睨みつけた。黎明が黒豹だったことは孤児院の一部と、真木親子と三木以外知らない。





帰り道は同じ方向の三木とアスミ、そして蓮と黎明はそれぞれ別れた。アスミと三木がホームで電車を待っていると向こう側のホームに蓮と黎明が立っているのが見えた。黎明は蓮に何かを話しながら無邪気に笑っていた。あの子、蓮にはあんな風に笑うんだ、とアスミは思った。蓮が黎明を見る眼差しは今までに見たことがない温かくて優しいものだった。


アスミは隣の三木を見た。

「ん?」と三木は眉を少し上げた。

泰生、これはちょっと無理かもよ。


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その次の日、黎明は改めて引越しやもろもろのお礼として、真木親子を家に招待して手料理を振る舞った。


黎明は、アルバイトをしたいと思っていることを二人に相談した。黎明は自分の身体能力が活かせる職場がないかと相談すると、真木の知り合いの警備会社で女性職員を募集しているところがあると教えてくれた。

女性や子どもの中には、男性のSPをつけることが精神的負担になる人も多く、女性のSPのニーズが高いという。しかし男性より警備能力がどうしても劣ることからクライアントとの合意形成ができず、警備計画に頭を悩ませているという。


真木は人間の域から出ないようにと大雑把な注意を受けたが、簡単な(と黎明は思った)体力テストと実技試験のあとすんなりと採用された。実技試験は男性職員相手のスパーリングだったが、手加減してくれたのだろう、すぐに終わってしまった。蓮との手合わせの経験が役に立ってよかった。実は、とんでもない新人が来たと職員たちの間で噂になっていたのであるが。


黎明が派遣されたのはある小さな女の子のところだった。

有名企業の幹部の娘とのことだったが、たしかに黎明のような人間のニーズが高いことがわかった。スパーリングの試験で相手をしたような男が同じ空間にいたら小さな子どもならおそれを感じてもおかしくないし、奥さんと娘と3人で行動することも多かったので、夫のニーズとしても男性を付けることに抵抗があるのは大いに想定できる。


大学があるのでフルタイムではなかったが、できるだけ長時間働けるように調整した。それに、割と融通が効いて、家の中の警備では、警備のセンサーが鳴って侵入者が入ってきた場合の最後の砦として黎明が置かれていたので、警備中に勉強していても全く問題なかった。


暁になんのバイトをしているのか聞かれたので、ベビーシッターと答えた。機密事項も多いので本当のことは言わなかったが、そんなに間違っていない時も多い。


暁も最近は忙しいようだった。入学前から政治家の秘書として働いているとは聞いていたが、最近は疲れた様子で大学にいることも多かった。


夏休みに入るとバイトのシフトを調整したりして、みんなで空いている時間にセッションをしたりした。それぞれ忙しかったがその時間は息抜きになって充実していた。秋の学園祭に出演しようという話も出てきた。


真木父に余裕があるときは一緒に孤児院に顔を出すこともあった。真木は今も色々差し入れをしてくれたりしているらしい。


黎明も就職したらどういう形か決めていないけれど孤児院の助けになることをしたいと考えていた。

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