第6話 ギルドへ
村の中心まで歩いてみた。
そしたら横にでっかい建物があった。
縦には全然大きくない。
横に大きい。
「ここ……かな……?」
「かもな……」
「入る……?」
「入ってみよっか……」
うわー、勇気いるなー。
よかったよ、隣にクルミがいて。
俺を先頭に、俺たちは中に入る。
そしたらなんか『ザ・ギルド』って感じだった。
中央にカウンターみたいなのがあって、そこらへんには机と椅子がある。
酒飲んでそうなおっちゃんがいっぱいいる。
みんな俺たちを見てくる。
そりゃそっか。
だってみんなと服装も違うもん。
あとみんな刀とか斧とか武器持ってるけど俺たちは手ぶら。
そういえば最初はどういうクエストを受けられるんだろう?
そんなことを考えながらカウンターまで行く。
16歳くらいの女の人がいるけど、この人が係の人かな?
16歳かはわからないけど、俺たちと同じくらいの年齢、多分。
よし、さっきはクルミがこの世界の人と話してくれたんだ。
今度は俺がやんなきゃな。
「あ、あの……、こんにちは……」
「こんにちは」
ニッコリ笑う女の人。
かわいいな……。
「えっと、なんか……簡単なクエスト? ってありますかね……?」
「はい、ございますよ? どのようなクエストをご希望ですか?」
「どのような?」
「クリーチャー討伐や薬草採取とか」
「お、おすすめはなんですかね……?」
「クリーチャー討伐ですかね……。薬草採取は一見簡単そうですが、時間や労力と報酬が釣り合ってませんので」
「じゃ、じゃあ……、その討伐するやつで……」
うわー、いきなりモンスター討伐みたいなやつになっちゃうよ。
武器とかないけどできるのかな?
「では会員証をお出しください」
……かいいんしょう?
なにそれ美味しいの?
「……もしかして……ありませんか……」
「多分ありません……」
「すみません、クエストを受ける条件として会員証が必要なんですよ」
マジか。
どうしよう、なんもできないじゃん。
「あ、あの! どうすれば会員証は入手できますかね?」
悩んでいると、クルミは女の人に訊いてくれる。
「そうですね……。まず身分証明書を見させていただければ……」
「それもないんです。どうすればいいですか?」
「うーん……。そうですね……」
本気考えてくれてる女の人。
どうしよう……これでダメだったら……。
「私たち、お金を稼がないと生きていけないんです。食べ物も買えませんし……」
「……わかりました。では、会員証の提示は不要とさせていただきます」
……ありがとな、クルミ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます