第6話 放課後

学校が終わり、放課後の時間がやってきた。リリィと一緒に帰ることになり、彼女がさりげなく話題を提供してくれるおかげで、リラックスして過ごせるようになってきた。


「ハルトくん、今日はどうだった?」


「うん、とても良かったよ。リリィのおかげで、いろんなことが分かったし、クラスメートたちともすぐに打ち解けられた。」


「それは良かった。もし何か困ったことがあったら、いつでも言ってね。」


リリィと歩きながら、学食でのランチの話題や、授業での出来事について話すうちに、自然と会話が弾んでいった。校門を出ると、あたりはすっかり夕暮れ時の空に染まっていた。


「そういえば、放課後の時間をどう過ごすか決めてる?」


「まだ決めてないけど、何かおすすめの場所がある?」


「実は、学校の近くに新しいカフェがオープンしたの。友達とよく行くんだけど、すごく落ち着いた雰囲気で、居心地がいいのよ。」


「カフェか。いいね、ぜひ行ってみたい。」


「じゃあ、案内するね。ここから少し歩くけど、大丈夫?」


「うん、全然大丈夫。」


リリィと一緒にカフェに向かって歩く途中、何人かのクラスメートや知り合いに声をかけられた。みんなの反応も親しみやすく、すぐに打ち解けられる雰囲気が伝わってくる。


「ここがそのカフェよ。どうかな?」


リリィが指差したカフェは、シンプルでありながらもおしゃれな外観をしており、ガラス張りの店内からは温かみのある灯りが漏れていた。


「うわ、いい雰囲気だね。」


「でしょ?それに、ここのコーヒーもとっても美味しいの。」


二人でカフェの中に入り、窓際の席に座ると、リリィがメニューを取り出して注文を決め始めた。


「ハルトくん、何を飲む?」


「うーん、じゃあ、アイスカフェラテをお願いしようかな。」


「了解。私も同じものを頼むね。」


注文を終えた後、リリィとしばらく話を続けながら、カフェの落ち着いた雰囲気を楽しんでいた。その時、カフェの入口が開き、新たに数人の女性客が入ってきた。その中の一人が、リリィを見つけて嬉しそうに駆け寄ってきた。


「リリィ、久しぶり!」


「アリス、こんにちは!元気だった?」


アリスと呼ばれたその女性は、リリィと仲の良さそうな友人で、彼女たちはしばらく話し込んでいた。俺も少し遠慮しながらその様子を見守っていたが、アリスが気づいて俺の方に向かってきた。


「それにしても、あなたが新しくこちらに来たハルトさんですね?」


「はい、そうです。はじめまして。」


「私、アリス・ウィンター。よろしくね。」


アリスはにこやかな笑顔を見せ、軽く手を振って挨拶してきた。彼女もリリィと同じように親しみやすく、少し緊張していた俺も次第にリラックスしていった。


「アリスは、このカフェの常連さんなの?」


「はい、ここは私たちの行きつけの場所なの。リリィとよくここでおしゃべりしたりしてるのよ。」


「そうなんですね。今日はリリィに案内してもらって、ここに来たんです。」


「それは良かったわ。これからいろんなところに行く機会が増えると思うから、何か困ったことがあれば、遠慮せずに頼ってね。」


アリスの言葉に、またもや少し安心感を覚えた。リリィとアリスと共に過ごすうちに、次第にこの新しい環境に慣れてきている自分を実感する。


「そういえば、明日は放課後に何か予定がある?」


「特に決まってはいないけど、何か提案があれば教えてもらえると助かるな。」


「それなら、明日の放課後に学校近くの公園でピクニックをしようか。ちょうど良い天気になりそうだし。」


「いいですね。参加させてもらいます。」


「それでは、また明日ね。」


アリスとリリィと共にカフェで楽しい時間を過ごした後、店を出ると、再び夕暮れの空が広がっていた。リリィと一緒に帰路につく間、俺はこの新しい生活がどんどんと充実していくことに、心から感謝していた。


「今日は楽しかった。ありがとう、リリィ。」


「こちらこそ、ハルトくんと一緒に過ごせて楽しかったよ。」


「それでは、また明日。」


「うん、またね。」


リリィと別れた後、自宅に戻ると、今日一日の出来事を思い返しながら、これからの生活に対する期待と希望がさらに膨らんでいった。

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