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あれから半年が経った。境界での仕事については見直され、害獣と認定できる魔物を駆除するのみになったのだ。明らかに活動の量も規模も頻度も減った。元々世間から認知されていない地味な仕事なうえ、かてて加えて給料も減ったので「割に合わない」と辞める者もたくさんいた。しかしそれでよかった。ウィードもそれほど大人数の面倒は同時に見られない。その仕事ぶりは、今までとあまり変わらなかった。今日も淡々と仕事をこなし、酒屋でブレオと飯を食べていた。
「そういえば、あの最近王室に戻ったルーナ王女とファビュラス将軍、結婚するらしいですね」
「ああ知ってるよ」
「ウィードさんは結婚式には行かないんですか? 二人ともお知り合いですよね」
「いいんだ、俺がこの仕事を離れたら皆困るだろう。俺は俺のやるべき事をやるだけさ」
「さすが、仕事熱心ですねウィード隊長。隊長は結婚したいと思わないんですか」
「思ってるよ。でも、俺みたいな男に相手は見つからないよ」
「そんな事ないですよウィードさん。僕から見れば充分素晴らしい男ですよ」
赤い癖毛の店員が酒を運んできた。ブレオは彼女に尋ねた。
「この人、どう思います?」
彼女は答えた。
「そうね、私はいい男だと思うよ」
ウィード 山木 拓 @wm6113
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