いかにして読者選考を突破するか

 前回では去年のコンテストを分析した。このエピソードでは読者選考突破について考える。これを突破しなければ受賞の可能性は潰えるからだ。



 この読者選考だが、カクヨム独特の制度だ。その名の通り、読者からの評価で次に進めるかが決まる。簡単に言えば足ぎりである。カドカワが全ての作品に目を通すわけにはいかないからだ。



 ここでは参加者の間でピリついた空気が漂う。通常の期間と異なり、蹴落とし合いに近い様相となる。普段であれば、良い作品には星を送り評価する。しかし、この期間においては違う。ライバルの作品が評価されるほど、自分の作品が突破する確率が下がるからだ。



 初心者の方はこう思うかもしれない。「お互いに評価し合えばいいのでは?」と。これは通常でもそうだが、禁止事項である。垢BANされるだろう。



 では、どうやって自作に高評価をつけてもらうか。あくまでも作品が面白いことが前提となるが、作者のフォロワーを増やすのだ。作者のフォロワーが多いほど、コンテスト用の新作を読まれる確率が高くなる。それも、読み専のフォロワーを増やすのだ。ここがポイントになる。



 前述の通り、書き手同士では牽制があるが、読み手からすれば、それは関係ない。読み専のアカウントは名前を見れば判断できる。「@abcd」のようにアルファベットの名前であれば読み専と考えて間違いない。



 作者フォロワーを増やすのは簡単ではない。それも読み専ならなおさらだ。そこで、一つ作戦を提案したい。それは「中編をヒットさせる」ことだ。



 カクヨムコンテストの短編部門は1万文字まで。長編部門は10万文字以上が必要だ。すると、中編は対象外となる。



 せっかく中編を書いても参加資格がなければ意味がない。だからこそ、コンテスト前までに中編を完結させて、読み専を囲い込むのだ。中編の完結時期は11月上旬までが目安だ。



 自分は下記作品で読み専を増やした。10万PVを達成したので、暇な方は読んでみるのもありだ。


大日本帝国、アラスカを購入して無双する

https://kakuyomu.jp/works/16818093077601861143



 また、現在進行形でミステリーファンを増やすべく、下記作品を更新中だ。雑学×日常の謎ものだ。ミステリーランキングで3位までいったので、内容はお墨付きだ。


副業は探偵ですが何か? 〜タクシー運転手の小さな楽しみ〜

https://kakuyomu.jp/works/16818093084864983477


 あくまでも個人的な考えだが、完結しなければ読み専は読みさえしない。完結しない作品を読むのは時間の無駄だからだ。11月上旬というのにもある程度根拠がある。完結した作品を読み専が読み、評価があがる。面白い作品であれば、完結ブーストが発生する。



 完結ブーストは必ず発生するわけではない。そして、完結ブーストが発生しても、すぐに効果が現れる可能性は低い。先の作品もいきなり評価されたわけではない。一定の評価がつき、読者に面白いとお墨付きがあることを保証する。そして、さらに読者が増えて評価があがる。このループが必要だ。コンテストが始まってから完結では遅い。



 では、どのようなジャンルの中編がいいのか。それは、今流行りの「悪役令嬢」「Vtuber」「VRMMO」などの要素を混ぜ合わせたものだ。しかし、ミステリーが主戦場なのに、これらのジャンルを書くのは時間の無駄だ。読み専の求めるものと違うジャンルで作品を仕上げても、読まれる確率は低い。



 今回はいかにして読者選考を突破するかについて持論を述べた。次回はさらにその先、受賞を目指すにはどんなジャンルが良いかを扱いたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る