第2話
そうして、連綿と”学校通い”の日々は続いていった。
「しろばんば」(井上靖)のごとき山奥の村での生活から、その続編の「夏草冬濤」ぽい明るい海辺の街に位置している高校での日々となり、多くの人物の往来がやはりあった。
現実に生活していく場合には、余計なことを考えたりする余裕はなくて、そういう場面と文脈が大半で、メタの、エキストラな部分のまあ文学的学問的な人格形成やら情操の育成やら、もちろん知性や学力の涵養も、長い持続的な努力の結果としてもたらされる、ご褒美?ギフト?…がむしゃらに試練に耐えて課題を解決していくプロセスを通じて結果として収穫される黄金の果実…当然そういうものとして青年期と青春をボクも把握していたつもりで、あるいはそういうことは無意識に押し込んだまま?ひたすら青春していたのである。しようとしていた。
が、自分の場合にはなにか根本的な蹉跌というか、よくわからないがどこか不可解なハンディキャップがあって、そのことへの葛藤は当時からあった。
それはいまだに解決していなくて、むしろ拗れて悪化して、手に負えないようなことになっている、という趣もある。
周囲との違和感と、そのよってきたるハンディキャップ。それが何なのかが、結局、いずれ気にならなくなるかな?とか軽く考えていたそういう蹉跌が、自分にとっての最終的な問題なのだ…そういうことを受け入れざるを得なくなってきて、辛酸や苦汁を舐め続けさせられることを余儀なくされつつ、現在も時々刻々悪戦苦闘させられている。
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