第43話 美しいレビューと哲学
広沢 長政様より「二人で分ける雪」に美しいレビューを頂戴しましたのでご紹介します。
https://kakuyomu.jp/works/16818093090955518258/reviews/16818093091095335250
広沢様のマイページはこちらです。
https://kakuyomu.jp/users/hirosawa_nagamasa
広沢様は「哲学好きな男子高校生が悩める美少女を口説く話」を連載中でいらっしゃいます。作品のリンクはこちらです。
https://kakuyomu.jp/works/16818093087121706514
哲学について初めて出会う方にもわかりやすく書かれていますし、普段意識していないけど実はこういうことも哲学なのかと発見できます。むろん恋愛ものとしても楽しめる作品です。読みごたえがあります。
さて、このエッセイもフォロワーさんが増え、私自身にもフォロワーさんが増えました。ありがたいです。
今回、「哲学」について、少し語ってみます。小説を書いたり読んだりする上でも役に立つ内容になると思います。
まず、こちらが話している内容について、相手が理解しているかが重要になります。
三国志を例にとりましょうか。
三国志についてどの程度知っているか。
劉備とか孔明とかの名前だけ知っているのか。
劉備や孔明がいつどこで生まれて何をして誰と出会って何をしたまで知っているのか。
劉備や孔明以外の人物も知っているのか。知っているというのは、名前だけか、やったことまで知っているのか。
そこまで想定して話すことになります。
相手の想定がわからなければ、質問します。でも、小説では読者に質問はできません。質問するとしたら書き方を、質問されても違和感のない書き方にする必要があります。例えばこんな感じかな。
劉備という人の名前を聞いたことがあるだろうか。
ちょっと、野暮ですね。だから私が三国志の小説を書くとすると、すでに三国志の登場人物やあらすじやイベントをだいたいご存じの方が読むことを想定して書きます。
だから、三国志をまったく知らない、知っていても人形劇や漫画で少し触れたくらい、という方には、手に取ってもらうことがとても難しい。歴史ものが読まれないのはこれが理由です。歴史ものが好きで、「劉備が主役なのか! あの事件をどんなふうに書いてあるんだろう」なんて思うような人でないと、まず読みません。
厳しいことを言いますが、三国志でもそのほかの歴史ものでも、書かれている題材について「いい機会だからちょっと調べてみよう」なんて思わない読者になんて向けて書いても意味がないと私は思います。だって調べる気さえないんだから。それか、あなたがものすごく魅力的な作家になって、「この人が書いた作品なら歴史ものでもがんばって読んじゃう!」と思わせるか。でもそれは、とても難しいです。どういう作家であれば「魅力的」に思うかなんて、人それぞれなんだから。
哲学は、対話する相手と、対話する内容を確認するところから始まります。哲学なんていうとそれだけで苦手……なんて尻込みされちゃうから、親子の会話に例えてもいいかな。
親は子供に、「テストで満点取って、学年で真ん中くらいの順位でいてほしい」と言いたいとします。
しかし子供自身が「テストでは赤点取らなければいいや、学年の順位なんてビリじゃなければいいや」と思っているとしたらどうでしょう。
これが、「考えの違い」です。
双方で同じ考えをもっていなければ、どんなに親が子供に「満点を取りなさい、学年で真ん中くらいの順位でいなさい」と叱咤激励したとしても、はっきり言って、無駄です。
だからここで対話をするわけです。たとえばこんなふうに。
親「あなたにはテストで満点を取ってほしい。そうすることが、あなたが教わった内容を理解できているという証拠になり、私は安心できるから。あなたには学年で真ん中くらいの順位でいてほしい。あなたの学力からしてそのあたりが妥当だと私は思うから」
子供「私はテストでは赤点を取らなければいいと思っている。赤点だと恥ずかしいから。学年の順位はビリじゃなければいいと思っている。ビリだとみっともないから。なぜなら、私は勉強が嫌いだし、あまりしたくない。だからあなたから満点を取れ、真ん中くらいの順位でいろと言われても、あなたの期待に沿うことはできない」
これはあくまでも一例にすぎません。しかし、そこから親子の対話が始まります。
小説を書く上でも、何を読んでほしいかを読者がわかる順番で、読者にわかりやすく書くことが必要だと私は考えています。万人受けする内容であろうとなかろうと。
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