第30話 織絵ちゃんが語る高校野球
亜咲の作品『総務課の沢渡くん』と『製造課のアレサンドラ』に高校野球の話が出てくるので、今回は高校野球のお話をします。作品でも沢渡くんが背番号や守備位置、ピッチャーが投げる球種、硬式野球ボールの大きさや最高時速などについて説明していますが、単なる観客として野球を楽しもうとするには、より観客がわに近い、しかし普段テレビ中継などでは短時間しか映らない、スタンドの様子をお伝えします。
本格的な高校野球の試合が見られるのは来年三月の選抜高校野球大会ですが、その時に楽しめるように今のうちからお話しします。
では、『製造課のアレサンドラ』の主人公、織絵ちゃん、お願いします。
皆さんこんにちは、照屋織絵アレサンドラです。
えっと、おおぜい人の前でしゃべるのって、あんま、ないので、ちょっと、緊張してます。みんな、あたしよりも年上ですよね、きっと。なので、噛んだらごめんなさい。
あの、あたし、高校時代、硬式野球部のマネージャーだったんですよ。マネージャーってどんな仕事するか、みなさん、ご存じですか?
ノックってわかります? 試合前に、監督とかが打った球を、みんなで捕るアレです。あの時、監督に球を渡したりとか。それから、ベンチに入って、スコアつけるとか。地方大会とかでは、アナウンスもします。たとえばこんな感じです。
「五番、ショート、沢渡くん。ショート、沢渡くん。背番号、六」
説明しますね。「五番」っていうのは、打順、打つ順番です。沢渡くん、つまり健は五番目に打つのが多かったみたいです。
「ショート」は守備位置。「遊撃手」ともいいます。ショートは守備の中でも「花形」ともいわれます。セカンド(二塁手)とサード(三塁手)とのあいだを守ります。
背番号は守備位置とリンクしています。詳しくは『総務課の沢渡くん』第4話をご覧ください。
ちなみに、「四番」は、確実に打ってくれる選手がなります。一番が打って一塁へ進み、二番は一番を二塁へ進めて、三番も一番を三塁へ進めて、四番が打って一番を本塁へ生還させる、というしくみです。
マネージャーの仕事に戻りますね。
大会では、スタンドの椅子に、応援用のメガホン置いたりとか。応援の時に、吹奏楽部が演奏してくれるんですけど、次の曲は何かとかを大きいスケッチブックに書いておいて、それをみんなに見せるんですよ。たとえば「アゲホイ」とか。
あ、「アゲホイ」のもとの曲、ご存じですか? ベリーニの 「サンバ・デ・ジャネイロ」です。検索すれば聞けますよ。有名な高校が使っているから、他の高校も真似したんじゃないかな。
応援の時は、たいてい打者の名前を呼びます。名字だったり、下の名前だったり、打者によって違います。健だったら、「サワタリ」かな。「ケン」だと、呼びにくいかも。ちなみにあたしの兄ちゃんの時は、下の名前でした。応援する曲にもよるけど、だいたいこんなパターンが多いかな。
「行け行けサワタリ、打て打てサワタリ、かっ飛ばせ! サ・ワ・タリ!」
ここで打って走者が進めば勝てるって時は、バッターの名前とか呼ばないで、『アルプス一万尺』とか『アゲアゲホイホイ』とかを歌うことが多いんじゃないかな。
応援で声を出したり、踊ったりするのは、試合に出ない野球部員とか、マネージャーです。保護者会のお父さんお母さんたちも声を出します。うちはお母さんだけなので、お母さんだけだったけど。あとはベスト8とかに進んでくるとその学校の生徒とかも加わることがあります。
それと、夏の大会、つまり甲子園に出場するただ一つの高校を決めるって大会では、ほとんどの野球部員、特に三年生は泣きます。兄ちゃんは、初めて出た一年生の時は泣かなかったけど、三年生の時はガチ泣きしたって言ってました。健は泣かなかったって言ってたな。だから、人によるのかもです。
このくらいにしときますね。ほんとはもっとあるんだけど、地方大会とかは皆さんも行きやすいと思うので、もしあたしの話を覚えてくれてたらでいいので、行ってみてください。
あ! その時には、日焼け対策、暑さ対策は必ずしてください!
帽子かぶって、アームカバーするかUVカットの上着着て、長ズボンと靴下とスニーカーは必ず履いてください。おしゃれなサンダルとかはやめたほうがいいです。歩きづらいし、足首や足の甲とか日焼けするんで。日焼け止めを塗って、タオルとか飲み物も、多めに持って行ってくださいね。
あとは宣伝です。健の話と、あたしの話、読んでいただけると嬉しいです!
よろしくお願いします!
『総務課の沢渡くん』はこちら↓
https://kakuyomu.jp/works/16818093085215443547
『製造課のアレサンドラ』はこちら↓
https://kakuyomu.jp/works/16818093089260289290
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