第2話 流石に脆すぎない?

 「······なんだ」


 辺りが明るい、周りからは鳥が鳴く声が聞こえ、それで俺は目を覚ました。


 「ここが異世界······」


 目を覚ますと、今まで住んでいた日本とは全く違う風景だった。

 辺り一帯は平原で、その先には大きな壁に囲まれた街?、のような場所が目に入った。


 まぁ今はそんなことより能力だ、役職は【ネクロマンサー】でも、人とは違う能力、スキルがあるんだ、それだけでもワクワクする。


 「······スキルって、どう使うんだ?」


 たしかに、使ったことがないんだから分からないのも当然なのだが······。

 あの天使――使い方ぐらい説明しといてくれよと、心の底から願った。


 使い方を考えていると、あの時のように頭に声が直接語りかけてきた。


 「スキルとは、心で念じる······」


 「またか、一体何者なんだ?」


 返事は返ってこない。


 たが、まぁ、使い方みたいなのは教えてくれたつもりだと思い、助言どおりに心で念じてみる。


 (――スキル?)


 念じたが、正解か分からず問いかけるように念じてしまった。

 念じた直後、目の前にスキル欄?、のようなものが現れた。


 「――まるでゲームだな」


 ゲームのようなプロフィール欄に、スキル表とスキルの内容、そしてレベルが書かれていた。


 きっと、ここらへんは分かりやすいように天使が変えてくれたのだろう。

 というか、この配慮ができるなら、スキルぐらい選ばせてくれよと思ったが、時すでに遅しだ。


 「えーと。役職はネクロマンサー·····か·、レベルは0か、まぁ何もしてないし妥当か。で、スキル欄は······」


 スキル欄にはスキルの使い方などが丁寧に書かれていた。


 とりあえずレベルを必要としない、初級の【スケルトン召喚】をしてみようと思った。

 魔力量“1”ポイントつき、一体召喚できるらしく、俺の魔力量はなぜか知らないが千ポイント程あった。

 

 なので理論上は千体は召喚できるということだ。


 (スケルトン召喚!)


 心の中で強く念じると、地面から魔法陣のようなものがポツポツとでき始めた。

 そこからスケルトンが湧き出るように召喚され、辺りは一気にスケルトンだらけになってしまった。


 「まてまて多すぎないか? と、とりあえず一体だけで頼む。このままだと埋もれる」


 なにも考えずに召喚してしまい、平原がスケルトンで埋まってしまった。

 やばいと思い、スキル欄に書いてあった【召喚制限】でとりあえず一体だけに絞った。


 「これがスケルトン······」


 まぁ、スケルトンなんだら妥当と言っちゃ妥当なのだが、いかんせん弱そうだ。


 だが、せっかくのスキルだなんだし、誇りを持っていこうと思い、流れで目の前のスケルトンの肩に手を置いた。


 「これから頑張ろうな!」


 スケルトンに普通の人間の感覚で肩を置いただけだったのだが、スケルトンは積み木のように軽く、体を散りばめ、そのまま消滅した。


 「おい、さすがに脆すぎだろ······」


 これは流石にやばい、これじゃあそこら辺の動物にすら勝てない。


 絶望しているとあることを思い出した。

 

 それは、スキル欄にはレベルを上げるごとに召喚できるスケルトンが変わると書いてあったことだ。

 

 今はまだ解放されていなのか名前は分からない。

 だが、今この瞬間に俺がやるべき目標が決まった。


 「レベルを上げる、これしかない」








 

 

 


 



 

 



 





 


 


 


 


 

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