第2話

 第2章


 私は今日、国民労働党のデモに来ている。

 現与党の自由財務党の傲慢な政策に反対するデモに。


 しかし暑い。

 この狂った暑さの中、デモをするのが有効なのかわからないが、

 とにかく声を上げる必要があるのだ。

 私は自分に納得させる。


 乗用車が猛スピードでこちらに向かってくる。


 乗用車は一向にスピードを落とさない。

「危ない!」

 私は叫んだ。

 一緒にデモ行進していた仲間達が、目の前で4、5人、跳ね飛ばされた。

 まるでスポンジのように。

 ひどく軽く。


 私は恐怖で立ちすくむ事しか出来なかった。

 乗用車はその勢いを落とさず、少し向こうのコーヒー屋に激突した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る