第7話 俺のせいかもしれません

 K先生がやめたのは俺のせいかもしれません。

 俺っていうか、俺のお母さんが先生に色々言ったからって、俺も学校やめてから友達に聞いたんで。

 俺とそいつはお母さん同士が仲良かったからそういう話もしてたらしいんですけど、俺が成績悪くて三年になれなくて、お母さんが学校に文句言ったらしいです。直接は聞いてないんで知らないです。お父さんはそういうのやめろって言ってました。前からお母さんはそういうこと言ってたからそれでけんかすることも多かったです。

 俺の成績のことは別に自分が悪いのでK先生のせいだとは思ってません。放課後とか先生が直接教えてくれることもあったしサボった時も遅れてもいいから学校来いって言ってくれました。お母さんに言うと怒られるからあんまり言わないでくれって言ったらそれも聞いてくれました。三者面談とかも俺が嫌だって言ったから色々聞いてくれました。お母さんじゃなくてお父さんに言ってほしいって言ったときも。

 でも、K先生がやめたって聞いてからは友達とも変な感じになっちゃってそれは悲しかったです。俺も学校やめたからあんまり詳しくは知らなかったけど、K先生と仲良かった奴らにはちょっと文句みたいなのも言われました。おまえがもうちょっとちゃんとやってたら先生は学校やめなくて済んだんじゃないのって。だから俺のせいなのかなって思うけど、でも俺は先生に何もしてないし、お母さんのせいなら俺は関係ないんじゃないかって気持ちも少しあります。

 お母さんとは今は違う家に住んでるからこの話はしてません。もし今の学校をちゃんと卒業できて、K先生に会えたらその時は謝りたいと思ってます。

 病院の時間があるので今日はもう帰ります。お父さんが迎えに来てくれているので、さようなら。

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