第11話 教科書をワザと忘れる作戦
高井さん、かわいーよなぁ。
くるっとまるい瞳が、なぜかいつもちょっと潤んでいて。
水泳部だから、初夏にはすでに浅い小麦色で、ぷにぷにしたくなるほっぺ。
ちょっと色が抜けているロングヘアが、
歩いているとふわふわ揺れて、なんか、いいっ!
JKって感じ!
共学でよかったぁ。
で、高2で初めて席が隣になった時、
改めて高井さんを意識した。
俺は佐藤 亮介(さとう りょうすけ)。
彼女いない歴イコール年齢、です。
席が隣同士、このチャンスを逃すものか。
ワザと教科書を忘れる作戦。
「高井さん、現国の教科書忘れちゃったんだ。
見せてもらってもいい?」
俺の席の右隣の高井さんにそう言うと、
高井さんは、俺を挟んで左隣に声を掛ける。
「六ちゃん、教科書見せて。佐藤くんに。」
「いぃよぉ。」
「へ!」
俺は高井さんに避けられた!?
「ごめんね、私も忘れたの。」
かぅあいぃぃぃぃ!舌を出したよ、高井さん!
俺に背を向けて、
「晴子、みぃせぇて!」
「高いよ!」
「えぇぇえぇ!む、かつくぅ!」
高井さん、可愛い。
今日のところは、これで良しとしよう。
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