第9話
「さあ、お嬢様方、明日はいよいよ水族館ですわよ。」
「なにそれ!やばぁい!」
「やぁばやば!」
「ウケるーーー。」
「やだぁーーー!」
女子高校生6人が集まって、合コン前日の打ち合わせ。
合コン、とは言っても、
今回は初顔合わせではなく、全員クラスメートの仲だ。
だから、終了後にも気まずい思いはしないように、
1人の男の子にも恥をかかせないように、
忖度の上に忖度を重ねる会議だ。
女子一同は、そうすることでうまくいく、と思っていた。
高井 舞子(たかい まいこ)「ねぇ、今回、あいつら、マジのガチなの?」
霞 晴子(かすみ はるこ)「ガチのマジ、一部いるみたい。」
高井「それ誰?そいで誰が狙われてるの?」
椋尾 多花音(むくお たかね)「やばい、それ、気になるーーーー。
パル子、知ってるんでしょ?」
晴子「うーーーーん。
本当は告白タイムするところから、内緒のはずだったんだけど。
女子にはサプライズのはずだったんだぁ。」
高井「もう遅いよ、晴子の口が滑った後だから。ねぇ誰、誰?」
晴子「うーーーーん、やっぱり彼の作戦成就のために、内緒!
実際のところ、狙いは誰か、までは聞いてないの。」
六野 美唯(ろくの みゆ)「うん、当日のお楽しみにしようよ。
その方がテンション上がらない?」
中原 日向(なかはら ひなた)「そうそう、六ちゃんポジティブ。
男の子たちに花を持たせてあげましょうよ。」
六野「うん、夏休み、まだ始まったばかりだもん。楽しみ、楽しみ!」
高井「そうね、これでガチなカップルが生まれるかもね。やばい、やばい。
ねぇ、晴子って武佐士くんでしょう?」
晴子「そうね、この中なら武佐士かなぁ。」
椋尾「やばぁ、きっと両思いよ、武佐士くんいつもパル子見てるもん。」
晴子「うーん、でも武佐士は恋愛に興味ないのかも。
男友達の延長に見られてる気がする。」
高井「それあるかもねー。」
晴子「ねぇ、今回のメンバーには、悪い子はいないよね。
みんな元々お互いに仲がいいし、
一回デートするぐらい平気だよね。
ちょっと夏の思い出に恋人ごっこもいいかもね、って感じで。
そこからガチになるかどうかは、本人たち次第、ということで。
そんな企画なので、みんな、よろぉ!よしく!」
ひとり、会話から外れていた斉藤に気づいた椋尾。
椋尾「、、、、ルナル、今日おとなしいね。どしたの?」
斉藤 瑠奈(さいとう るな)「あのね、ちょっと聞いて。」
「私ね、先週、浅野に告られた。」
一同「えーーーーーー!」
「やば、やば、やば!」
高井「やばぃ、最初から一抜けなの!」
斉藤「でも、まだ返事してない。」
晴子「浅野ぉ!抜け駆けかぁ、こすいやつだなぁ。」
中原「でも、それだけ本気なんじゃないの、浅野くん。」
六野「ねぇ、なんて告られたの、気になるなるーー。」
斉藤「付き合ってください、って。」
椋尾「ひゃーーー!で、どーするの、ルナル!」
斉藤「わからない。水族館で返事ください、って。
でも私、男の子と付き合ったことないから、、、、。」
晴子「浅野ってさぁ、良くも悪くも純粋だよね。瑠奈に合っている気がする。」
高井「そう、小学生がそのまま大きくなったみたい。フフフ。」
六野「それ、褒め言葉だよねー。」
中原「純粋な男の子って、いいんじゃない。」
高井「ねぇ、瑠奈はどう思ってるの?」
斉藤「どぉって、、、、私にとっては、ショウヘイ-オオタニ。」
顔が真っ赤になって、下を向く。
高井「キャーーー!やばぃ!」
晴子「最上級じゃん!ヒーローなの!?」
六野「おとぎ話の王子様だ!」
中原「すてき!素敵!」
椋尾「もう、一組決まっちゃたじゃない!やだぁもう!」
晴子「、、、、なんか素敵なドラマがあったの?」
笑顔で静かに頷く斉藤 瑠奈。
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