第6話 決意

カーテンからまずしい光が顔を照らす。鳥の歌声と自動車のクラクションや怒声が聞こえる。騒がしい、毎日こうだ。柔らかい布団から出て、朝食をご馳走するために1階に降り、リビングルームに行った。


今日の朝食はスクランブルエッグとパンだ。親は共働きで最近家にいないことが多い。最後にみたのは約1か月ぐらいだろう…。


だから、自分で自炊せざるを得ない。


朝食をご馳走した後、自室でネットの中でサーフィンをした。サーフィンしている途中、ある記事が目に入った。


題名は『¡Vamos a México! メキシコに行こう!』


この記事で書かれている内容は、観光名所、文化、国民性などを絶賛している。なんなら公用語であるスペイン語は英語よりも簡単であると。


国民性はフレンドリーで飯も旨いらしい。調べれば調べるほど興味が湧いてきた。こんなに興味を持ったのは生まれて初めてかもしれない。


この国から出れば、小晴とはまず会うことはなさそうだ。

スペイン語でも勉強してみるか、英語より簡単そうだし。そうとき決まれば、お金を稼いで、語学勉強をしよう。


決めたことは、決めた。自分探しもする。


夏休みが終わったら、メキシコに行く!誰にもこの意思を邪魔させない。


薄暗かった道は光によって、遥か先まで見えるようになった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――

調べたところ、どうやら日本人は条件を満たせばビザは必要ない。

180日以内なら滞在できる。しかしパスポートが必要。


勉強机の上から3番目の引き出しを引いたら、埃だらけのパスポートを見つけた。こんなところにあったのか。


口で吹くと、埃は飛んでいき、宙を舞う。有効期限はまだすぎていない。これなら行ける。


キャリーケースとお金が必要になるが、そこに心配する必要はない。

格安航空券はネットで買える。夏休みが終わった直後に…

         

           メキシコに行ってやる!



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