デネブ
ある男がいた。
名を鵠星。
彼はガチョウや白鳥などを飼う鳥飼であり、織女に恋する人物だった。
だが彼の恋は無様に散る。
子供の頃から恋い焦がれていた織女は、同じく子どもの頃から親友であった牽牛に奪われてしまったのだ。
そう、奪われて。
鵠星は順当に行けば織女の相手は自分だと信じて疑わなかった。
だから牽牛が卑劣な方法で織女を奪い去ったのだと思った。
だがいくら待てども探せども牽牛が織女を誑かした証拠がでてこない。
いや、本人からすれば織女が牽牛に靡いていること自体が証拠だったが、客観的証拠が無かった、ということだ。
鵠星は織女を限りなく愛していた。
それが事実だ。
そして鵠星が負けた理由は織女を愛していたのに、織女のことを全く考えなかったこと。
それがわからない鵠星は諦めた。
そして織女と牽牛がお互いが遊び呆けて仕事に精がでないことを告げ口し、遠くに離れて生活することにした。
告げ口のせいで鵠星と牽牛は対立した。対立し、親友にかけるとは思えない言葉の応酬をし合った。
そして果てには鵠星は疲れた。
そして気づいたのだ。鵠星は。
疲れ、鵠星は…
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