第2話幼い思い出、澪と篤郎の出会い
桜の綺麗な季節だった。
澪は両親を亡くしたばかりで良く泣いていた。神社の境内をお掃除をしている時に、必ず顔を出してくれる武士の子供篤郎がいた。目がクリクリとっても元気いっぱいの男の子だったが泣いてる時だけ、優しく抱きしめてくれた。俺がお前と結婚してあげるから、一人ぼっちにならないから大丈夫だぞ。と当時5歳くらいの私に言ってくれたのを覚えている。7歳の篤郎はとても優しくて、かっこよくて自慢のお兄ちゃんという感じだった。いつも武士として男としてという話を一生懸命にしていた。もちろん武術も、巧みだったし本来、負けず嫌いな性格だったので人一倍、何にでも打ち込む姿がたくさん見られた。字を覚えることも計算をすることも負けず嫌いの性格からか、誰よりも早くできといたということだった。寺子屋に行くこともあったが、たくさんの友人に恵まれていてもたまに澪の側にわざわざやってきては、数を教えてくれることもあった。澪との時間はしかし、年齢を重ねるたびに少なくなったと思う。
澪も仕事がない時には寺子屋に行かせてもらったのだが、2歳離れているというのと、身分があまりにも違う現実というものに気づいてくる。
そんなことを繰り返しているうちに淡い恋心が芽生えてきた。しかし、諦めなければと思う。心も湧いてきてしまったのだ。
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