第2話  不安な2歩目!

 広子とふみえと僕、大阪中を練り歩いた。僕は広子のことばかり考えながら大阪を案内した。昨夜、部屋にふみえが来た。っていうか、朝まで僕の部屋にいた。ふみえと同室だった広子はそれを知っている。“ふみえが僕を気に入っているのを知っていたら、広子は僕を気に入ったとしても、ふみえに気を遣って僕の部屋には来ないのではないか?”と考えるのが妥当だろう。


 僕は、昨日は平等に2人の相手をしていたが、少し広子との接触を増やした。会話は勿論、少しだけ広子にアプローチした。だが、ふみえが不快にならない範囲に留めなければならない。僕は必要以上に気を遣った。疲れたが、広子の笑顔が眩しくて、広子に支えられて案内役をつとめきった。


 たこ焼きもお好み焼きも焼き肉も食べた。可能な限り名所を回った。やれるだけのことはやった。そして僕等は昨夜泊まったホテルに戻った。ホテルの方は、連泊で予約していたのだ。勿論、僕も予約していた。



 僕は、自分の部屋に入るとスグにシャワーを浴びて、ホテルの寝間着に着替えてベッドに寝転んだ。多分、ふみえが来る。いやいや、ふみえと結ばれるだけでもラッキーなのだ。この幸運に喜ぶことはあっても、残念と思ってはいけないのだ。残念だと思ったら、僕はバチが当たってしまうだろう。


 だが、それでも広子が欲しかったのだ。顔も良いが、肉付きもいい。スレンダーではないが、出るところは出て、引っ込む所は引っ込んでいる。贅沢な話だと思うが、僕は広子が来てくれることを願った。


 が、冷静になった。広子の連絡先は交換している。広子達が広島に帰っても、後日、2人で会うことも出来るかもしれない。そうだ、そうしよう。決戦は今日でなくてもいいのだ。


 と思った時に、ノックの音がした。コンコンコン。


 ドアを開けたら、なんと広子が立っていた。


「あれ? え! 広子さん?」

「私じゃダメ?」

「いえいえ、広子さんなら大歓迎です」


 僕は広子を部屋に招き入れた。


「驚いてる?」

「あ、ふみえさんが来るかと思っていたから」

「ふみえさんの方が良かった?」

「そんなことないです! 僕は広子さんの方がいいです」

「じゃあ、ベッドに行く? 私、シャワーは浴びたから」

「僕もシャワーは浴びました」



 2回結ばれて、広子は僕の腕の中にいた。


「どうして、来てくれたん?」

「ふみえさんが、崔君は良い感じだから“広子も行って来たら?”って言われたの。それで来ちゃった。私も長い間してなかったから」

「どうでした?」

「めっちゃ良い感じ」

「良かった……」



 なんと、ふみえが広子を僕の部屋に送り出してくれたのだ。これは思いがけない行動だった。快感を広子と共有してくれたのだ。ナイス! ふみえさん。昨日、手を抜かずに全力で結ばれて良かった。


 僕は、想像以上に抱き心地の良かった広子を抱き締めながら寝た。



 翌日、3時くらいまで大阪観光。それから、2人は電車に乗って帰った。



 それからメールで連絡を取っていたが、ふみえは頻繁にメールをくれるのに、広子は時々しかメールをくれなかったので寂しかった。



 だが、大阪に来てくれるのは広子だった。







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