作家は恥をかいてなんぼ?
崔 梨遙(再)
第1話 最初の一歩は大きな一歩!
僕の人生で、特に30代の前半は貴重な時期だった。とにかく女性とのご縁が多かったのだ。あれは、説明出来ないくらい異常な時期だった。基本的に、僕は元々モテるタイプではない。自分がブサイクなのは自覚していた。ただ、営業職に就いてからトークは上手くなったかもしれない。
その金曜の夜も、ただ気分転換に繁華街で弾き語りをしていただけだった。ちなみに、僕はギターも歌も上手くない。足を止めてくれる人は少ない。だからただの自己満足。っていうか、本当にただの気分転換。ストレス発散。だが、その日は女性2人組が足を止めてくれた。方言がかわいい。かわいいと言っても、1人は多分30代後半、1人は多分40代、僕よりも年上だと思った。僕は弾き語りを中断して2人と話し込んだ。大阪見物に広島から来たとのことだった。飲みに誘われたので、僕は2人についていくことにした。
30代の方は広子、ほどよい肉付きで色っぽかった。僕の好みだった。40代の方はふみえ、僕の好みで言うと、ふみえは広子よりも1ランク下だった。顔とスタイル、絶対に広子の方がいい。身長は2人とも160センチ前後だった。僕の身長が169なので、僕と歩くのにバランスはいいと思った。
串カツかお好み焼き、どちらがいいか尋ねたら串カツと言われた。僕は自分がよくいく混んでいないけど美味しい店に連れて行った。そこで1時間ほど飲んだ。すると、2人から頼まれた。
「明日、大阪を案内してほしい」
僕はOKした。2人から、
「予約しているビジネスホテルで、もう少し飲もう」
と言われてホテルについて行った。ツインの部屋だった。僕はガッカリした。シングル2部屋の方が都合が良かったのだ。ツインの部屋で1時間ほど飲んで、
「朝から合流出来るように、僕もここに泊まるわ」
と、僕が言った。フロントに電話して、すぐにシングルを1つ用意して貰った。
「〇〇〇号室にいるから、用があったら来てや」
僕はシングルの部屋に入ると、スグにホテルの寝間着に着替えてため息をついた。
そう! その時、僕には下心があった。いや、下心しか無かった。僕は広子と結ばれたかったのだ。広子とふみえがシングルの部屋なら、こっそり遊びに行こうと思っていたのだ。いや、まだ時間はある。2人は明後日の日曜の夕方に帰ると言っていた。こうやって追いかけていればチャンスはあるかもしれない! 広子もふみえもバツイチ、僕は既婚者には手を出さない主義だが、その問題はクリアしている。
明日以降、どうやってチャンスを作ろうか? 広子とそこまで親しくなれるのか? 考えているとドアがノックされた。
コンコンコン、コンコンコン。
聞き間違いじゃない! 来た-! 広子、来た-!
ドアを開けたら、ふみえが照れくさそうに立っていた。
“違ーう! 違う! 違うねん! そっちじゃなーい! そっちとちゃうねん!”
と思ったが、僕は全力でふみえを愛した。僕は、そうなったら相手がどんな女性でも手を抜けない性格なのだ。全身全霊で相手を喜ばせる。それが僕みたいなブサメンに体を許してくれた女性に対する礼儀だと思っている。
結局、一晩に2回結ばれ、朝にもう1回求められて終わった。なんとか、ふみえを満足させることができたようでホッとした。
朝食後、いざ、大阪観光へ! 案内するのは僕だが、僕は物欲しそうに広子を見つめていた。
大丈夫! まだ時間はある! 僕は、そう思うことにして、2人との大阪観光を楽しむことにしたのだった。
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