第19話好きって自覚

わたしは「ああ好きなんだ」って言葉に戸惑っていた


それは普通に考えたらわたしのことが好きって意味になるけどえっ?わたしのことすきだったのとなる


意外性のありすぎる本心で困る


でもわたしもきっと好きだから


わたしは倒れるように眠っている彼の顔を眺めながらこんなことばを口にする


「起きたら告白をしようかな……そしたら付き合ってくれるよね」


わたしは彼との動画を見る


三つだけだけどその動画に写るわたしは全て楽しそうだった


彼はいつものわたしを知らないからわたしが笑顔でいることが少ないことを知らない


「うふふわたしあなたにしかこんなに笑顔を見せないんだからね」


なぜだか彼といることが落ち着くし楽しくてだんだんとその感情が好きに変わっていた


でもわたしは素直じゃないからそれを好きだと自覚したくなかった


また好きになった人が死んでしまうかもしれないんだよいやでしょ


「だからわたしはどうすれば良いのか分からないんだよ」


そう言葉を口にした後にスマホをスクロールしていくそうすると今まで投稿した動画の呟きが出てくる


例えば初配信の動画だと


『うぉ話題のカップルが動画を投稿するなんて嬉しい』


『なんだか恋人ってよりも他人って感じがする』


『そういうよそよそしい感じが初々しくて良いんじゃん』


『カッコよくて可愛い尊いカップル』


『一回なめるだけで二つの要素を楽しめるそんな動画はいかがかや』


『意味を分からないことを言ってる人がこの動画にいて怖さを感じる』


『なんだか三つ目の動画なのに懐かしさがあるな』


初配信の呟きをみてわたしはいろんな人たちが応援してくれているそんな気持ちになる


うんやっぱりわたしは頑張りたい


好きだって思う好きになるのが怖くてもこのままうじうじしててもなにも始まらない


だからわたしは好きだと自覚することにした

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