第6話 連絡先交換してもいい……………のはず。
「雰囲気いいね。人も少ないし」
「気に入りました?」
「うん。気に入った。いい場所。これからここにも脚運ぼうかな?」
「嬉しいです。そう言ってもらえて」
そう笑う彼女の笑顔は傷だらけだがとても輝いて見えた。傷が無ければもっと美人なんだろうな、と思った。
「あのこの節は助けていただき」
「固い。固い。文章固いよ。助けてくれてありがとう、それでいいよ。」
「は、はい。では、助けてくれてありがとうございます。」
ドンと机に頭をぶつける。
「いや、そんな勢いよくしなくても………」
「誰も助けてくれなかったんです。大学の人も先生も親も…………けど、淳さんだけが助けてくださった。だからありがとうございます!」
ドン!
「いや、だから頭をぶつける必要はないよ?」
「何で助けてくれたんですか?」
「いや、困ってたら助けるでしょ?」
「しかもめちゃくちゃ喧嘩強かったですし。」
「海賊のアニメを見て両翼に憧れてね。ちょっと格闘技と剣道かじっただけだよ。」
「それでもカッコ良かったです。カッコ……良かったです………」
うっとりとした目でこちらを見つめる桜ちゃん。
「あ、そうだ。連絡先交換してくれませんか?まだまだお礼が足りないので。」
「そんな別にいいよ?お礼とか?」
「私がしたいんです!後淳さんとこれっきり会えないのは悲しいので………」
うん?
「まぁ、連絡先くらいはいいよ。」
「やったー!ありがとうございます!」
連絡先を交換。
「まだまだ話したいですけど私も大学の単位があるので。取れないと思った単位が取れそうなので行きます。」
「おぉ、それは良いことだね。」
「じゃあ淳さん。また。バイバイ。」
「バイバイ。じゃあね。」
「えへへ…………淳さん………バイバイ」
そう言って彼女は去っていった。
「まぁ、いい子だな。マジで。彼氏とかいそ~。怖いわ。」
「淳さん。ふふ、淳さん、淳くん、淳ちゃん、淳っピ、じゅんじゅん、じゅんぴー、えへへえへへえへへえへへえへへえへへえへへえへへ………淳さん………彼女いるのかな?」
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