第5話 助けた見返りがあってもいい……………のはず。

「あ、コイツが五郎ね?今時郎とかつける?逆にキラキラやん。でこれで最後やな?」


「最後です。もう解放してもらっても……」


ウーウーウー

近づくサイレンの音。


「え?」


「あ、ありがとね。嬢ちゃん。」


「あ、は、はい…………」


「お前、まさか………」


「俺が気をひいてる間に電話してもらったの。警察に。あ、おまわりさんコイツらです。コイツらがあの子をボコボコにしてました。証言者なら俺がいます。」


「署で話を聞こうか。君たち。」


「あ、のびてるのもよろしくでーす。」


「お前らぁ!」


「ま、頭冷やせ。で、牢に入らなければいいな?それだけ願っとくわ。」


「クソ!クソがぁ!」


「じゃあね~?連絡はしとくから~。じゃあまた?」


連れていかれる奴らを見送りベンチに座りようやく一休み。


「ってキミ?何でいるの?病院とかいかなくていいの?」


もう一緒に行ったと思っていた傷だらけの少女がそこにはいた。


「隠れてました。見つかったら連れていかれると思って………」


「いや、行きな?行かないと痛々しいよ?」


「いや、お礼もしてないしもうこれを逃したら会えないと思って………」


「へ?」


「私は雪乃 桜(ゆきの さくら)です。あなたの名前は?」


「へ?俺?俺は五十嵐 淳。」


「淳さん……淳さん……えへへ………淳さん時間ありますか?」


「まぁ、ちょっとは。」


「じゃあお礼も兼ねてカフェ行きませんか?もちろん!おごります!だから!お願いします!行きませんか?」


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