エピローグ

「プハ~!今日のビールは格別だね~!」


 キラーのララを倒した後、ローズはバーでビールを飲んでいた。

 机にはいくつもの空になったジョッキが置かれてある。

 無理やり連れてこられた翼は、ビールを飲みまくるローズに呆れていた。


「青葉さん。未成年なのにそんなに飲んで大丈夫なんですか?」

「もう…ローズって呼んでって言ったでしょう~」


 顔を赤くしながら、頬を膨らますローズ。

 そんな彼女を見て、翼はハァとため息を吐く。


「ローズさん。酒はほどほどに」

「今日はいいの~。仲間の仇が取れて本当に嬉しいんだ~。ビールおかわり~!」

「……まぁ、そりゃあ嬉しいですよね」


 ローズは仲間の仇であるキラーを倒すことができた。

 これを喜ばずにはいられないだろう。


(それにしてもこれで倒したキラーは二体。団長が言うには俺のことを狙ってくる人が現れるだろうっと言ってたけど……大丈夫だろう)


 そんなことを考えながら、翼はジンジャーエールを飲もうとした。

 その時、


「翼くん~。本当にありがとね~」


 ローズは自分の大きな胸を翼の腕に押し付けた。


「ロ、ローズさん!?」

「翼くんのおかげであのキラーを倒すことができた~。仲間の仇を取れた~。だから~」


 ローズは翼に顔を近づけ、


「これはお礼だよ~」


 彼の頬にキスをした。


「ちょ、ローズさん!?なにして……て」

「スピ―…」


 翼の頬にキスをした後、ローズは眠ってしまった。


「えぇ……」


 気持ちよく眠っているローズを見て、翼はどう反応すればいいか分からなかった。


<><><><>


 月と星の光に照らされた夜空。

 その空を泳ぐように飛ぶ黒い石像がいた。

 石像は蛇の如く身体が長く、そしてとてつもなく大きい。

 無数の目と魚のようなヒレが不気味に輝き、鋭い歯が並んだ口からは空気が揺れるほどの大きな唸り声が響く。

 そんな不気味で巨大な石像は人が住む街に向かっていた。

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赤き翼を持つ少年~世界で唯一男でありながらアビリティを持つ少年は、女騎士達を強くする!!~ @gurenn1950

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