雷速の騎士

「いいよ~…まぁ勝つのは私達だけどね~」

「キャハ♡言ックレルネ」


 ララは手足に風を纏わせ、音速を超えた速度で駆け出す。


「勝ッテミナヨ。コノ、ララニ!!」


 弾丸よりも速い拳撃をララは放つ。

 迫りくる拳。

 それを、


 ローズは蹴りで簡単に弾く。


「ナッ!?」

「見えるよ~。君の動きなんて~!」


 ローズはララの腹に膝蹴りを叩き込む。

 膝蹴りを受けたララの身体はくの字に曲がり、吹き飛ぶ。

 吹き飛ぶララは体勢を立て直し、ローズを睨む。


「ヤッテクレルネ!ダケドコレクライデ!」

「まだまだ私の攻撃は終わってないよ~」

「!!」


 ララの背後から聞こえたローズの声。

 振り返った直後、雷を纏った蹴りがララの顔面に直撃。

 ララの顔に皹が走る。


「ララノ顔ニヒビガ!コノ……人間風情ガアアアアァァァァァァァァァァァァァァ!!」


 怒りに満ちた表情でララは拳を何度もローズに叩き込む。

 しかしローズの身体は幻の如く消えた。


「コレッテ…!」

「残像だよ~」


 今のローズは誰よりも速い。

 彼女は稲妻そのもの。


「舐メルナアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


 ララは風を纏った拳を振るう。

 それに合わせてローズは蹴りを放つ。

 ララとローズの攻撃はぶつかり合い、火花が飛び散る。


「ハアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

「ヤアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


 雷を纏ったローズと風を纏ったララは何度もぶつかり合う。

 ぶつかる度に嵐の如き衝撃波が発生。

 いくつもの木が吹き飛ぶ。

 激しく高速戦闘をする雷速の少女と風速の少女。

 彼女達は勝つために全力を出す。


「コノ……イイ加減ニ…死ネェェェェェェ!」


 叫び声を上げながら、ララは風を纏った手刀を放つ。

 その一撃をローズは紙一重で躱す。

 手刀がローズの頬に一筋の傷を付ける。


「死なないよ~。だって私には~……頼れる後輩くんがいるからね~」


 そう言ってローズは速く、そして重い蹴りをララの胸に叩き込む。

 そしてもう一度、蹴りを叩き込んだ。

 ララの顔が歪んでいく。


「終わりだよ~!」


 ローズはララの胸を蹴る!蹴る!!蹴りまくる!!!

 胸から皹が走り、大きくなっていく。


「!!」


 このままではマズイと思ったララは逃げようとした。

 しかし雷の戦乙女はそれを許さない。


「逃がさない~」


 ローズは稲妻を足から強く発生させ、最強にして最速の蹴りを放つ。

 雷速の蹴撃はララの胸を貫いた。

 胸を貫かれたララの身体は崩壊していく。


「ソンナ……ララガ、負ケルナン……テ」


 ララの身体は完全に崩壊し、塵と化した。

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