青葉ローズ
「さぁ今日はラーメンパーティだよ!」
細かい事情徴収が終わった後、翼たちはラーメンパーティーをしていた。
机の上には色々なグザイが入ったラーメンがいくつも置かれてある。
ラーメンの器は小さく、一人三杯はいける。
だが、
「量が多いですね」
ラーメンの種類や数がめちゃくちゃ多かった。
ルルとローズはげんなりしている。
「またラーメンパーティー?」
「これじゃあ太っちゃうね~」
どうやら定期的にラーメンパーティーをしているようだ。
「どんどん食べてね!」
天音は笑顔を浮かべながら、次々とラーメンを作っていく。
「い、いただきます」
とりあえず翼はラーメンを食べることにした。
箸で麵を取り、すする。
「!おいしい」
あっさりかつコクがあり、そして食べやすい。
そこらへんのラーメン屋よりうまい。
(これならいくらでも食べられる!)
翼はラーメンを食べ続けて三十分後、
「もう……無理」
彼は死に掛けていた。
もうラーメンを食べることができない。
吐く寸前。
そんな翼に、
「ほらほら食べて食べて!まだ残っているよ!」
天音はラーメンを食べさせようとしていた。
「も、もう……勘弁してください!限界なんですよ」
「限界は超えられる!」
「なにカッコいい声でカッコいいことを言ってんですか!」
「いいから食べて!」
「イイイィィィィィヤアアアァァァァァァァァァァァァァ!!」
<><><><>
「ハァ…ハァ…なんとか食べ終えた」
全てのラーメンを食べた翼は机に頭を置いていた。
もう一歩も動けない状態になっている。
「おつかれ~」
食べ過ぎて苦しそうにしている翼に、ローズは近づく。
「青葉さん」
「ローズでいいよ~。それにしてもすごかったんだね、君~」
「え?」
「だってキラーを倒すなんて~誰も思わなかったよ~」
「いや……俺だけの力だけじゃ」
「頑張った君に~いいところを教えてあげる~」
そう言ってローズは車椅子で移動を始めた。
「ついてきて~」
よく分からなかったが、とりあえず翼はローズのあとを追いかける。
<><><><>
案内されたのは大きな倉庫。
倉庫の中に入ると、そこはいくつものお酒が置かれているオシャレなバーだった。
女性店員の人が「いらっしゃいませ、そちらの席にどうぞ」とカウンター席に案内される。
翼は椅子に座り、ローズは車椅子の高さを調節する。
「青葉さん。ここは……バーですか?」
「そうだよ~。団長には内緒でやっているバーなの~。ここでは時々ギャンブルとかもやってて~」
「いやいやいや……そうじゃなくて。俺、酒は飲めないですよ!?」
「大丈夫~。おいしいジュースもあるから~」
翼とローズが話していると、
「お待たせしました。青葉様にはいつものやつを。嵐様には最高の辛口ジンジャーエールを」
店員が酒が入った青いグラスとジンジャーエールが入った透明なグラスをカウンターテーブルの上に置く。
「あ、ありがとうございます」
「今日は私のおごりよ~。遠慮なく飲んでね~」
ローズはお酒を一口飲み、フゥ―と息を吐く。
彼女の顔が少し赤くなり、色っぽく見える。
「本当にありがとね~嵐くん~」
「え?」
「君がいたおかげで~天音さんを失わずに済んだよ~」
「いえ……そんな」
「また……仲間を失わずに済んで~本当に良かった~」
「また?」
ローズは酒をちびちびと飲みながら、語った。昔のことを。
「一つの小隊には最低でも五十人はいるんだよ~」
「五十人……確かに第四小隊の部屋は五十人ぐらい余裕で生活できるくらい広かったですね。あれ?でも第四小隊は三人しか……」
「うん~。ある任務で私たち以外の騎士は死んじゃったんだ~」
「!そんな」
「その任務で私は足が使い物にならなくなったの~」
「そう……なんですか」
第四小隊の仲間の殆どを失った。
それはあまりにも辛く、そして悲しいものだった。
「だからね~……天音さんが生きてて本当に良かった~……君には感謝してる~」
「いえ……そんな」
「それにしても君……可愛い顔して女ったらしだね~」
「え?」
「だって……ルルちゃんと天音さんの顔……完全に恋をする乙女だったよ~」
「そうなんですか?いったい誰に?」
「……ハァ~……これは二人とも苦労するな~」
呆れた顔を浮かべながら、ローズは酒を飲む。
翼は意味が分からず首を傾げた。
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