ジャイアント狩り

「うおおらああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 大声で叫びながら翼は操縦桿を強く押したり、引っ張ったりした。

 それに合わせてロボットは拳を放ち、蹴りを放つ。

 次々とジャイアント達を破壊していく。


『すごい……こんなに倒せるなんて……しかも一撃で。……あなたなにしたの?』

「秘密……です!!」


 突進してくる猪型のジャイアントの顔を膝蹴りで破壊。

 そして残った猪型ジャイアントの身体を持ち上げ、空を飛んでいる鷲型ジャイアントに向かって強く投げた。

 投げ飛ばされた猪型ジャイアントの身体は、鷲型ジャイアントに直撃。

 鷲型ジャイアントは木端微塵に砕け散り。地面に落下する。


「これでほとんど倒したな……あとはアイツだけか」


 残っているのは猿の形をしたジャイアント。

 だが他のジャイアントと違い、鎧のようなものを纏っており、手には大きな剣が装備されていた。


「ユニークジャイアントか……」


 ユニークジャイアント。

 普通のジャイアントは猫や犬などの動物の形をしている。

 だが中には神話に出てくる幻獣の形をしているものや、鎧や武器を装備したやつがいるのだ。

 そういうやつらをユニークジャイアントと呼ぶ。

 そしてユニークジャイアントは普通のジャイアントよりも戦闘能力が高い。


「面倒だが……やるしかないか」


 翼は操縦桿を操作し、ロボットに拳を構えさせる。


「ウキアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


 猿型ジャイアントは叫び声を上げながら走り出し、ロボットに接近。

 そして剣を力強く振るい、ロボットの身体を切り裂こうとした。

 だが翼は操縦桿を操作し、装甲に覆われた腕で剣を防ぐ。

 金属音が鳴り響き、火花が飛び散る。


「ウキアァァァァァァァァァァァァ!」


 猿型ジャイアントは剣を振り回し、連撃を放つ。

 迫りくる嵐の如き剣撃をロボットは全て躱し、防ぐ。

 そして剣を両手で掴み、


「うおらああああああああああああ!!」


 へし折った。

 剣を失った猿型ジャイアントは驚きのあまり、後退る。

 そんな猿型ジャイアントの腹に拳を叩き込む。

 そして次はジャイアントの腕を掴み、ロボットは背負い投げをする。

 地面に強く叩きつけられたジャイアントの鎧と身体に皹が走る。


「まだ終わりじゃないぞ」


 翼は操縦桿を操作し、ロボットでジャイアントを殴る。

 そしてもう一度、殴る。


 殴る!殴る!!殴る!!!殴りまくる!!!!


 猿型ジャイアントが壊れるまで殴り続ける。

 殴る度にジャイアントの鎧と身体に走った皹が大きくなる。


「オラオラオラオラオラオラオラオラ!……オラアアアァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


 操縦桿を激しく動かす翼。

 殴り続け、ついに猿型ジャイアントは壊れた。


「終わったあぁぁぁぁぁぁ……」


 翼はハァーとため息を吐く。

 それと同時にハッチが開き、ロボットを覆っていた装甲は消えた。

 コックピットから外に出た翼は、肩を回す。


「あ~……めっちゃ疲れた……とっとと帰ろ。じゃあ、お疲れさまでした」


 そう言って彼は背中から赤い金属の翼を生やし、空を飛ぶ。


『ま、待って!』


 後ろからロボットの声が聞こえたが、翼は振り返らず家に向かって飛んだ。

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