第3話
レイク・ザ・ローズと呼ばれる湖がある。
その水の色は、薔薇のように赤く、人々を近寄らせない、何かがあった。
しかし、共和国が建国されたと同時に、どこからともなくドラゴンが降り立ち、住み着くようになった。
水の色は、その後、透明になった。
あるとき、森でケガをした木こりが、湖の水で、血を洗い流したところ、たちまちに傷がふさがり、それ以来、ケガをしても医者にかかれないものは、ここの水を使うようになった。
話には尾ひれがつくのは、どこも同じで、この湖の水を飲んだ者が、10歳若返り、新たに子をなした、というものや、壊れた仕事道具に、湖の水を掛けたら、新品同様に戻った、というものまで、自分たちの願望をふんだんに盛り込んだ話が、巷にあふれかえっていた。
ところが、今年の初め、湖の水が濁り始めた。
原因を探ろうと、科学班と魔法班の合同チームが組まれた。
しかし、一向に原因はつかめず、湖は日増しに濁りが増していく。
人々も、湖へは近寄らなくなっていた。
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