第9話 暗闇の宝石 ー1ー

天気がいい!

雲ひとつない晴天!

あっつ!

まさにダンジョン攻略にピッタリ(?)!

ということで!


「じゃあダンジョン攻略」


一歩踏み出す。

未だ人類では攻略不可能とされてきたダンジョンに。

そして言い放つ。


「始めるか!」

「応!」

「がんばるぞー!」


テンション上がってキタァ!


〜昨日〜


「この呪い…どうすっかな…。」


どういう目的で作られたものなんだ?

呪いは自然発生しない。

すなわち人為的に作られたものだということだ。

調べてみたところ、この呪いの効果は『暴走スタンピード』だった。

しかし魔物や魔族は呪いを使えない・・・・

大昔にそういう『契約』をしたらしい。

いや、今大事なのはそこじゃない。

この暴走の呪いは人間がやったものだということだ。


何のために?


そう、目的が理解できない。

こんな事をしても人間に被害が及ぶだけだ。

魔物が興奮状態になりなり振り構わず攻撃してくるようになってしまう。

そうなりゃ大惨事だ。

人間が今までメモしていた行動パターンから外れて対応が難しくなる。

すると自然に人的被害が発生するんだが…。


「うーん。わからんなぁ。」


正直考えるには情報が少なすぎる。

2人にも一応話しておくが今はダンジョン攻略が先になるな。

ダンジョンに潜れば何かわかるかもしれないし。


「まあじゃあいっかぁ。」


なんかもやっとするけどね…。


〜現在〜


結論、後回し!

これが最適解だ!

うんうん、いい考えだ!

決して考えるのがめんどくさくなったわけではない!

うん!

それよりダンジョン攻略だ!


「…それにしても自然光てすごいな。」

「ほんと。石が光るっていう新しい概念。」

「これ魔石がなくなったらほんとになんにも見えなくなっちゃうね!」


いや、俺は暗視の魔眼もってるからな…。


「俺ダンジョンの構造とか分からないんだけどグレイは分かるの?」

「まあね。一時期ダンジョン攻略を趣味にしてたから。マップスキルも持ってるし。」

「ダンジョン攻略が趣味…?」

「マップスキルってなぁに?」

「マップスキルは一度自分が通った場所を記録して立体的なマップとして顕現させるスキルだよ。」

「ヘェ〜。便利だね!」

「これはダンジョン攻略では必要不可欠のスキルだしね。ゆくゆくは2人も覚えた方がいいかもしれないし教えよっか?」

「いいの?やったぁ!」

「まあそんな難しいものでもないs…」


魔力探知が反応していない。

それでもわかる。長年の勘だ。


「2人とも!来る!」

「数は?」

「わからん!このダンジョン多分だけど魔力探知が使えない!」

「はぁ!?」

「嘘!結構頼ってきたよね!なんで!」

「このダンジョン魔力の構造が複雑すぎる!魔物の数が多すぎて魔力の種類がバグってる!」

「マジか!…あれ?ってことは今から来る魔物って結構数いるんじゃ…」


「ゲゲッ」


「は?」


ダンジョンだ。

1階層の。そう、1階層のだ。

それなのに…


「ゴブリンキング…!」


魔物の量が多いわけだ!

1階層から王がいんなら部下がバカみたいにいる!


「2人とも!ゴブリンの群れは最低でも50体いるから殲滅すんのは現実的じゃない!突き破るぞ・・・・・!」


「りょーかい!」

「ララ!一回ぶっぱないせ!俺がその後に切りまくる!」

「バフは俺がやる!ゴーゴーゴーゴー!ハハハハハハハハハハハハハハ!楽しくなってキタァ!」


1階層は力づくで突破ダァ!


〜数10分後〜


「階段発見!」

「マッピングも完璧だ!降りろ降りろー!」

「降りたらゴブリン達は降りて来れないんだもんなぁ!」


現在、ゴブリンとネロ・ウルフに追われている俺たちは2階層にはいる。

マジでこれ急がんと死ぬぞ!

俺は大丈夫でもね!


「…いやいやいや。」

「いや流石にそれはおかしいだろ!」

「えぇ…。いや、えぇ…?」


いや、違和感はあった。

いくら危険なダンジョンとはいえ1階層からゴブランキングやネロ・ウルフがいる。

流石帰ってきた人がいないダンジョンとして片付けていたが…。


「クソッ魔力の複雑さから予想しておくべきだったな…!」


このダンジョンはおそらくフロアボス以外は階層を移動できる…!


「ゴブリンキングとかどこの階層から出てきてんだよぉ!」


そもそも魔物が通常のダンジョンで階層を移動できない理由は階層ごとに魔力の質と濃度が違すぎるからだ。

だがこのダンジョンでは質と濃度の内の質がメチャクチャだ。そうなるとどうなるかというと今の状況になる。


「この群れどうすっかな…。」


そう思いながらチラッと後ろを見ると獲物俺らを取り合って殺し合いながら追いかけてきていた。

これもしかして…


「群れと群れを衝突させるのが正解…?」

「それいいアイデアだな!」

「グレイ!キール!なんか前におっきいのいる!」

魔豚トロールの群れ…!」


このダンジョン鬼畜すぎないか!?

設定バグってんだろぉ!


「『血沼デッド・スワンプ』!」


これは無理するしかないな…。挟み撃ちだし。


「2人とも!壁走って・・・・!」

「無茶行ってくれる…!」

「が、がんばる…!」


マジでモンスター多すぎだろ!


「キール!デッド・スワンプ逃れた奴からは最短ルートで行きたいから最小限斬っていけ!」

「りょーかい!」

「ララ!ララは俺をぶん投げてから行って!」

「わかった!」


ララが俺の胸ぐらをつかみ…


「えぇいーやあああああぁ!」

「うおおおおぉぉぉぉ!?」


すごい遠慮なく行くなぁ!

でもこれでトロールの群れを抜けられた!

これで奥のゴブリンとウルフに攻撃してヘイトをこっちにやって…。


「後はがんばれトロール君!」

「壁って走れたんだな!」

「私ちょっと楽しくなってきた!」


ハハハハハハハハハハハハハハ!

寝床確保のために今日一日で5階層(セーブポイントがある)まではいくぞおおおお!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

キールが生まれた時代はこんな奇抜なダンジョン存在しませんでした。

深夜のハイテンションで書いたので誤字が多いかもしれません…。

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