喧嘩
「一緒に逃げようお兄。この家のためにお兄が言いなりになる必要なんてないよ」
「逃げる……? どこへ? 養子で、その養父も亡くした俺たちにどこにも居場所なんかない」
「私たちの居場所は私たちが作ればいい。お金ならチェスの大会でもらった賞金がある。足りなくなってもまた勝って優勝すればいい。私たちならできるよ」
「それは今この国が平和だからだ。今にチェス大会もひらけない世の中になっていく。それでもお前はチェスで食っていくと言うのか」
「でも、だって……!」
「手を離しなさい」
「お兄はっ……幸せになるべき人だ! 今までずっと頑張ってきた! だから!」
「うるさいっ! もう何も言うな! 俺はお前が嫌いだ! ずっと嫌いだった! ガキの頃から!」
「知ってるよ!そんなのとっくに知ってる!でも幸せになってほしいんだよ!私は!お兄に!」
TAKE FIVE うさみゆづる @usamiusausa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。TAKE FIVEの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
治療室/うさみゆづる
★18 エッセイ・ノンフィクション 連載中 37話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます