中身
わたしは、スカスカな人間だった。つまらなかった。それを人に見破られるのが怖くて、人が望む人間になろうとした。その方がずっと楽だったし、肉の体温があるように見えた。誰がスカスカな実を好んで食べるだろう。差し出せる中身がないのは寂しい。剥き出しにして味わされる感情の濃さはないよりあった方がマシ。だからわたしはツバサくんを美しいと思う。あの人ほど、中身が詰まった人はいない。
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