第11話「ネット掲示板で睾丸スキル大論争!」
タマオの「睾丸スキル」騒動が町で話題になり、ネット掲示板にまで広がっていた。ある日、リョウは朝食を食べているタマオの前にスマホを突き出して見せる。
「お前、ネットで話題になってるぞ。『街で見かけた変な男』ってスレが立ってる。どう見ても、お前のことだよ……」
「なにっ!」タマオは興味津々でスマホを覗き込み、画面に表示されたスレッドを見て目を輝かせた。「『睾丸スキルの男、タマオとは』だと!? これは、俺のスキルがついに広まり始めた証拠だな!」と興奮気味に声を張り上げる。
リョウは半ば呆れながら画面を見せる。「いや、違うから……。むしろお前がヤバい奴だってことが広まってるだけだから……」
しかし、タマオはそれを気にする様子もなく、ネットの住人たちの関心が自分の「睾丸スキル」に向いていると信じ込んでいた。「よし、これは俺の睾丸スキルを広める絶好のチャンスだな!」と意気込むと、リョウのパソコンを奪い取り、掲示板にアクセスした。
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掲示板には、「街で見かけたヤベー奴」「睾丸スキルって何?」といったタイトルのスレッドが並んでいた。タマオはその様子を見つめ、深く頷く。
「ふむ、皆俺の睾丸スキルに興味があるようだな。ここで真実を伝えねばなるまい!」と、キーボードを叩き始める。
掲示板を開くと、すでに様々な書き込みがあふれていた。
> 1 :名無しさん@町で目撃
この前、スーパーで『俺の睾丸スキルで値引きしろ!』って叫んでる変な男がいたんだけど、あれ何?
> 2 :名無しさん@睾丸スレ
いや、俺も聞いたわwww。『睾丸スキルで救う!』とか真剣な顔で叫んでたって。マジで伝説級だろwww
> 3 :名無しさん@合コン経験者
おいおい、そいつ合コンでもやらかしてたぞ。「俺の睾丸は特別だ」とか言って、女の子たちドン引きだったしwww
> 4 :名無しさん@町内会
マジか、あの男が睾丸スキルのやつだったのか……。祭りの準備でも『睾丸の力で力を合わせよう!』とか言ってて、みんな引いてたぞw
> 5 :名無しさん@温泉
しかも、聞いてくれ!こいつ温泉で『湯の波動!』とか叫びながらお湯叩いてたんだぜ……。マジでヤバかったわ。
タマオはそれらの書き込みを見て、満足げに頷いた。「ふむ、やはり皆俺のスキルに興味を持っているようだな。ならば、真実を伝えよう!」
タマオは「まずは自己紹介からだな」と呟きながら、スレッドに書き込む。
> 6 :タマオ
俺の名はタマオ、睾丸スキルを極めし者!睾丸スキルとは、男の力の源であり、己の限界を超える勇気の象徴である!!
投稿が反映されると、すぐに住人たちからの反応が返ってくる。
> 7 :名無しさん@睾丸スレ
え、本人降臨……だと?
> 8 :名無しさん@睾丸スレ
嘘だろ? お前、本当にあの『睾丸スキル』のやつなのか!?
> 9 :名無しさん@目撃者
待て待て、睾丸スキルって何なんだよww。どういうことか詳しく教えてくれwww
タマオはそれらの反応にさらに興奮し、勢いよくキーボードを叩き始める。
> 10 :タマオ
睾丸スキルとは、ただの器官の力ではない!心の奥底から湧き上がる無限のエネルギー!それを具現化し、生活に役立てることができるのだ!!
住人たちは一瞬、タマオの勢いに押される。
> 11 :名無しさん@睾丸スレ
はぁ!? 心の奥底から湧き上がるとか、どういうことだよ……。
> 12 :名無しさん@合コン被害者
やっぱりヤバい奴だったんだなwww。お前、合コンで「睾丸の力で魅了する」とか言ってたろ?
> 13 :名無しさん@温泉仲間
おい、ちょっと待て。温泉でやってた『湯の波動』って何なんだ!?真剣に説明してくれよ!
タマオはその質問に目を輝かせた。「そうだ、湯の波動こそ俺の睾丸スキルの一端だ!」と、再びキーボードに向かう。
> 14 :タマオ
よくぞ聞いてくれた!『湯の波動』とは、湯の中に自分の睾丸スキルを注ぎ込み、その波動を伝える儀式である!この波動が湯に広がることで、皆に勇気と力を与えるのだ!
住人たちの反応はさらにカオスになっていく。
> 15 :名無しさん@湯船目撃者
お、おい……マジでそういうこと考えてたのかよwwwww
> 16 :名無しさん@冷静派
いやいや、波動って何だよ。どうやって睾丸から湯に波動が伝わるんだ?
> 17 :名無しさん@興味津々
待って待って、面白くなってきたぞ!睾丸スキルの真実に迫れるかもwww
タマオは掲示板の反応に気をよくしてさらに書き込む。
> 18 :タマオ
そうだ!睾丸スキルを理解すれば、誰もが自分の限界を超えられるのだ!『湯の波動』もその一部に過ぎない。睾丸の力は無限なのだ!
リョウはその様子を見て、頭を抱えた。「お前、もういい加減やめとけ……。ネットの住人たち、お前のことヤバい奴としか見てないから!」
しかし、タマオはそれを聞く耳を持たず、続けてキーボードを叩こうとする。リョウは仕方なくタマオの腕をつかみ、「だから、もうやめろって!」と強引にパソコンの電源を切った。
「……ふぅ。これ以上やっても無駄だよ。ネットじゃお前の真意は伝わらないんだ」とリョウはため息をつく。
タマオは悔しそうに拳を握りしめ、「……俺の睾丸スキル、まだ理解されていないようだな。だが、次は直接会って話すしかない……!」と呟いた。
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掲示板ではその後も「タマオ伝説」として話題が広がり続けた。「湯の波動」とは何なのか、掲示板の住人たちはタマオの話を茶化しつつ、どこか興味を持って騒ぎ続けていた。まとめサイトやSNSでもタマオの「睾丸スキル」が話題になり、ネット上で急速に「伝説の男」としてその名が広まっていく。
> 19 :名無しさん@まとめ民
湯の波動って結局何なんだよwwww
> 20 :名無しさん@興味本位
誰かあの男の正体掴んだやついないのか?マジで気になるんだがww
> 21 :名無しさん@目撃者
確か、タマオって名乗ってたぞ。湯船の中で叫んでたんだから間違いない。
> 22 :名無しさん@関係者
マジであれはリアルでヤバい奴だから近寄らない方がいいぞ。
リョウは掲示板を見ながら再度ため息をつく。「なんだよこれ……お前、本当にネット界隈で伝説になっちゃってるじゃん。」
「うむ!これは良い兆しだ!」とタマオは嬉しそうに胸を張る。「ついに俺の睾丸スキルが世に広まり、真実に興味を持つ者たちが現れ始めたということだな!」
「いや、どう見ても興味の方向性がおかしいだろ……」とリョウは頭を抱える。「でも、どうせお前のことだし、これで諦めるわけないよな……。」
「当然だ!」とタマオは拳を握りしめる。「ネットでは限界があるようだ。やはり直接会って話し、俺のスキルの真価を見せるしかあるまい!」
「直接って……まさか……」リョウが嫌な予感に顔を歪めると、タマオは意気揚々と宣言した。
「うむ、次は街で人々にインタビューして、俺の睾丸スキルを伝えてやるのだ!」
「え、待て待て!それはやりすぎだろ!」リョウは慌てて止めようとするが、タマオの目は輝いており、もう話を聞く気配はない。
「湯の波動の次は、街頭での伝道だ!」タマオはそう叫ぶと、勢いよく部屋を飛び出していった。リョウはため息をつきながら、「本当に何やらかす気なんだよ……」と後を追う。
タマオとリョウは街に繰り出し、タマオは早速通行人に声をかけ始める。リョウは必死に「無理だから!睾丸スキルの話なんて誰も聞かないから!」と止めるが、タマオは一向に聞く耳を持たない。
「おおい、そこのお嬢さん!」とタマオは女子高生たちに駆け寄る。「俺の睾丸スキルについて聞いてくれ!」
女子高生たちは一瞬固まり、「え、なに……?睾丸……?」と戸惑いながら後ずさる。リョウは慌てて駆け寄り、「ごめん、こいつおかしなこと言ってるだけだから!」と必死にフォローを入れる。
タマオはさらに続けようとするが、リョウが口を塞ぎ、無理やり彼を引っ張ってその場から逃げ出した。「バカかお前!どうしてそんなこと言うんだよ!」
「しかし、俺の睾丸スキルを広めるためには――」
「そんなの、今の状況じゃ無理だ!」リョウはタマオを振り向き、「お前、掲示板の連中みたいに聞いてくれる奴なんて、現実にはいないんだぞ!」と真剣な表情で説得を試みた。
しかし、タマオは真剣な表情で頷くと、「なるほど、ならば俺の伝え方に問題があったのかもしれないな……」と意外に冷静に考え始める。
「……お、お前が冷静に考えるなんて珍しいな……」リョウは驚いたが、すぐにタマオが新たな方針を思いついたように顔を輝かせるのを見て、またしても嫌な予感を感じた。
「そうだ、伝え方が重要なのだ!」タマオは拳を握りしめ、「次はインタビュー形式で、俺の睾丸スキルの真髄をわかりやすく伝えよう!」
「インタビュー形式って、何だそれ……」リョウは呆れるが、タマオは意気込んでさらに街頭へと歩き出すのだった。
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掲示板では、その後もタマオの「湯の波動」や「睾丸スキル」についての議論が続いていた。まとめサイトには彼の奇行が記事として取り上げられ、ネット住民たちは興味本位でタマオの行動を追い続けるようになる。
> 23 :名無しさん@湯の波動検証班
湯の波動について詳しく調べてみたんだけど、結局何だったんだろうな……。
> 24 :名無しさん@追っかけ
それより、あいつ今どこにいるんだ?次に何やらかすのか気になるわww
> 25 :名無しさん@期待
マジで次の伝説を期待してる!もっと話題を提供してくれ、タマオ!!
タマオの行動はネット上だけでなく、現実世界でもますます注目を集めていく。そして次回、彼は街頭インタビューという新たな舞台で「睾丸スキル」を伝えるべく動き出す――。
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