第14話

9月9日 月曜日月曜日なのに 今日 加藤小雪さんは来なかった。

9月10日 火曜日 今日は小雪さんは来るだろうと思っていたらその通り やっぱり来た。小雪さんは綺麗な女の人が好きな女の子に人気があった女の子は綺麗な女の人が好きだった。女の子もそうだった男の人も女の人も綺麗な人が好きだった。男の子も大人以上に綺麗な女性が好きなのだ。男の子は一緒に遊んでくれる 男の先生が好きになる。綺麗な女の人は好きなのだが、 あまり うるさくすると嫌われるのでそのうち 離れて行く。遊んでくれる 男のかっこいい先生が男の子たちの間では一番人気があった。不思議なことに僕は小雪さんの声を聞いたことはなかった 。小雪さんとは 挨拶ぐらいはするので、 喋るのだが 大きな声を出さないのか小雪さんの声の記憶が全くと言っていいほどなかった。あの小雪さんがそんなにおかしな声ではないだろう。昨日 全くの 偶然だが 小雪さんが僕の車の横に止めていたのがわかった。昨日の小雪さんは珍しく夜の7時まで一緒に働いていてくれて帰る時も同じタイミングになったので車に乗るのが同じ時間だった。彼女は車で通勤していたんだと僕はその時 知った。黒っぽい色の軽自動車だった。最近人気のある日産のさくらとかいう車なのかなぁ。今時の女の子は車にもそれなりのこだわりというものがあるんだろう 日産の桜は女の子たちの間で それなりに人気があるみたいだ。それにしても小雪さんはほとんど黒 みたいな色の車に乗っているんだと思うと女性としては 少々 男がぽいのかなぁ。車のネーミング からするともう少し可愛らしい花のような色の車でもいいんじゃないかと思ったけどそこは頼んだんだろう 彼女は黒っぽい色の桜を選んだ。基礎 偶然ではあったが彼女がバイパスを長久手市街地の方に走っていくのを見てしまった。あの車は彼女が一人暮らしをするのではなく家から大学に通うという条件でお父さんが買ってくれたんだろう。彼女は結構 勉強もできて親の言うことを聞く 素直な娘だったので お父さんが車を買ってくれたんだろう。僕は 以前 県立大学の図書館を使わせてもらったことがあったが なかなか綺麗なキャンパスでおしゃれな感じだった。そこそこ 偏差値の高い学生たちがそこで キャンパスライフを過ごすにはまあまあな舞台だと思った。エレガントな彼女は最近流行りの電気自動車の桜に乗って県立大学で おしゃれな学生生活を過ごすんだろうなと思った。いや 彼女は 県立大学ではなく淑徳大学だったのかもしれない。やはり彼女は女子高出身だろう。どうやら彼女にとっては男に車で送り迎えしてもらうものは趣味ではないらしい。だから彼女は電気自動車の桜を選んで 自宅から自分で通学するようにしているんだろう。そしてなかなか時給のいい 近くのバイトを見つけて 今のところに来ているのではないだろうか僕の想像に過ぎないけど。僕は昨日張り出されていた予定表の中に小雪さんの名前を見つけた。どうやら彼女は月火金ぐらいにバイトに来るようだ。だから 来週は月曜日に会えなくても火曜か金曜日はきっと来るはずだ。

日もだいぶ 短くなってしまって最近では朝夕は結構 爽やかだ。今年はこれといった恋もないままに終わるのかと思ったが なんとかなりそうだ。まあほんの言うなら 夏の終わりまでには何とかしたかったんだけれどね。残暑 まだ続くけど夏はもう終わりだ 夏は諦めて 秋をゆっくり楽しませてもらおう。にしても 黒っぽい 電気自動車を選ぶ なんて彼女はやっぱりなよなよはしていないな、デザインは無骨 だが 電気自動車のさくらを選ぶ なんてそこには彼女らしい理由があったんだろう。経済的な理由だけではなく未来に対する考え方からも電気自動車を選択したんだ それは僕も同じだ。結局ここから先は 電気自動車を選ぶ しか ないんだろうと思った。地球のことを考えると これ以上 二酸化炭素を出すわけにはいかない。

教室で彼女を見た時やはりすらりと背が高いんだなと思った。決して姿勢がいいわけではないんだが とにかく彼女はエレガントで格好がいい。胸はあまり大きく はなさそうだった、もしかしたら あまり美しくもなく残念な胸なのかもしれない。嫌だけど今日も小雪さんはグレーのニットだったということはそれなりに綺麗な胸 なのかな 僕は希望を捨てることはできなかった。

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