第15話

何と言うか 今日の伊藤ようこ は優しかったし やけに張り切っていた。彼女は僕が髪を切ったのを見つけるとにっこり安く髪を切ったんだねと笑いながら嬉しそう頭をなぜた。そして 長い短パンみたいなスカート をほとんどたくし上げるようにして 長い足を見せて 踊っていた。伊藤陽子 は確かに 足が綺麗で長く かっこいいけれどもう少し 女の子らしくした方が返って魅力的なのになと思った。とにかく彼女は全身全霊で喜んでいた。伊藤洋子はいつもより顔が小さく見えた。これから先 彼女は どんどん背が高くかっこよくなっていくんだろう。すぐちょっとしたモデルなみに かっこよくなってしまうだろう。今日は中条さんが休みだったので 洋子の愛情は僕に集中的に注がれていた。嬉しいおままごとは少々 形を変えて続いていた。手先が器用なイト ヨコはおままごとの食事を自分で作れるのだと言っても全ては ダンボールに手書きで書いたメモのだけのことなんだが。彼女は僕に夕食だけでなく デザートまで作ることを忘れなかった。

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