第11話 幼馴染の脚美線


エリシアは『にゅめょりと』に少し恥ずかしそうに

微笑みながら彼に一歩近づいた。


彼女は視線をわざと外しながら

髪を指で軽く巻き上げ

ちらりと『にゅめょりと』の顔を見つめる。


「……ねぇ、私、『にゅめょりと』に聞いておきたいことがあるんだけど」


と少し甘えた声で尋ねるエリシア。


彼女は体を少し揺らしながら

かわいらしい仕草で『にゅめょりと』を惹きつけていた。


その瞳には

彼に対する期待と優しさが溢れている。


その仕草に『にゅめょりと』はドキッとし

少し照れたように顔を赤くした。



「え、何を?」



「あの村人たちを助けに向かう前に

たくさんの村の人たちに見送ってもらったの


けど、その時……懐かしい感覚があって

誰かが私の脚をじっと見つめている気がしたの」


彼女は少し照れ笑いしながら

自分の脚を見てと言わんばかりに

前に出してきた。



「(うっ!、ヤバい!)」

『にゅめょりと』は、思い当たる節があった。



「もしかして

あれって『にゅめょりと』だったのかなって……思ったりして。 ふふ」


「うっ……」


「やっぱり、そうだったんだ

あそこにいたんだね。


私の履いているニーハイソックスブーツって

足を保護するためにキツくしてあるんだよね


『にゅめょりと』はそんな私の脚のことを

綺麗だって思ってくれたんだよね?」



その言葉に

『にゅめょりと』は一瞬で顔を赤く染め

慌てて目をそらしながら冷静さを取り戻そうとした。



そして

照れ隠しのように苦笑しながら

素直に謝った。



「……ごめんね、エリシア


君をそんな目で見てしまって……本当にごめん」


『にゅめょりと』の真剣な謝罪に

エリシアは優しく微笑んで肩を軽く叩いた。



エリシアは『にゅめょりと』の謝罪を聞き

優しく首を振った。


そして、柔らかい笑みを浮かべながら言った。




「違うの、謝らなくていいわ


逆に懐かしくて……嬉しい気持ちにもなったんだよ」



彼女の言葉には温かさが込められていて

過去の思い出が今に繋がっていることを感じさせた。




『にゅめょりと』はその言葉に少し驚きながらも

エリシアの優しさに安堵の表情を浮かべた。



「……あ、ありがとう」


それでも『にゅめょりと』には

微妙なエリシアを嫌らしい目で見てしまったという

罪悪感も残っていたのであった。



2人の間には

再び心が通い合うような穏やかな空気が流れた。




『にゅめょりと』は少し照れながら

ふと冗談めかして苦笑いを浮かべた。




「懐かしいって……俺

そんな幼い頃から君のこと

えっちな気持ちで見ていたのかな?」



その言葉に

エリシアは一瞬驚いたような表情を見せたが

すぐに笑みを浮かべて軽く肩をすくめた。



「どうだろうね?


でも、私は悪い気持ちにはならないよ


むしろ

それだけ長い間

私を見てくれてたってことだから……嬉しいわ」



彼女の笑顔と優しい言葉に

『にゅめょりと』はさらに顔を赤くしながらも

心の中で安心した。



2人の間に漂う和やかな空気が

さらに親密さを増していく。



エリシアは少し考え込んだ後

『にゅめょりと』に向かって真剣な表情で問いかけた。



「ねぇ

『にゅめょりと』……勇者パーティから追放されたってことは

もう一般人ってことだよね?」


『にゅめょりと』は少し戸惑ったように彼女を見返した。



「まあ……そういうことになるのかな」


エリシアは

さらに一歩近づいて続けた。




「ってことは

私とか、一般の人と結婚しても犯罪にはならないってこと?」



彼女の言葉には

少し期待と不安が入り混じっていた。


人間界では

勇者パーティに属する者は王族としか結婚できないという法律があった。


それを思い出しながら

エリシアは少し緊迫した表情で

『にゅめょりと』に聞いてみたのであった。



『にゅめょりと』は

「ああ、確かにね。

俺も勇者じゃなくなったから

一般の人と結婚しても犯罪にはならないと思うよ」



それを聞いたエリシアは

とても嬉しい気持ちになった。


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