第10話 幼馴染の魔法剣士と手を繋ぐ
『にゅめょりと』とエリシアは
グリーンフェルデ王国への最短ルートとして
『絶望の森』を選択した。
この道はモンスターが徘徊し
迷い込めば帰れないと恐れられていたが
2人は迷うことなくその道へ足を踏み入れた。
「絶望の森か……確かに危険な場所だが
俺たちのレベルなら問題ないな」
『にゅめょりと』はそう言って剣を握りしめ
エリシアに微笑みかける。
「そうね」
彼女も頷き、戦闘に備えた。
2人のレベルは非常に高く
たとえ危険な場所であっても
そこに潜む脅威に怯えることはなかった。
エリシアは森を歩きながら
ふと『にゅめょりと』の顔を見上げ
微笑みながら口を開いた。
「……ねぇ、昔みたいに手を繋いで歩かない?」
その声には
どこか懐かしさと安心感が込められていた。
『にゅめょりと』は少し驚いたように彼女を見返したが
すぐに穏やかな笑みを浮かべて頷いた。
「……ああ、いいよ」
『にゅめょりと』は手を差し出し
エリシアは嬉しそうにその手を握り
2人は昔のように並んで歩き始めた。
エリシアは顔を赤らめながらも
手を繋いだまま楽しそうに歩き続けた。
彼女の頬には懐かしさが浮かんでいた。
「……こうして手を繋ぐと、昔を思い出すね
危険な森を
よく2人でこうして歩いたよね」
エリシアの声には
かつての冒険の日々への郷愁が滲んでいた。
『にゅめょりと』も懐かしそうに頷き
昔の記憶を思い返すように静かに微笑んだ。
2人の足取りは軽やかで
絶望の森の陰鬱さがどこか薄れていくように感じられた。
『にゅめょりと』は懐かしそうに笑いながら
エリシアを見て言った。
「そう言えば
俺たちって特別
強かったよな?」
その言葉にエリシアは少し照れた様子で微笑み
軽く肩をすくめた。
「私は『にゅめょりと』ほどじゃなかったけどね
でも、好きな人が強くなっていったら……
私もやってやる、って気持ちにはなるよ」
「え?」
『にゅめょりと』は少し驚いて
エリシアを見ると
エリシアは顔を真っ赤にして
慌てて
「あ、いや……
い、今言ったことはなんでもないのよっ
気にしないで。ハハ……」
と言った。
『にゅめょりと』は少し照れくさそうにしながらも
彼女の手をもう少し強く握りしめた。
「にゅめょりと……」
エリシアはその反応が
すごく嬉しかった。
2人は手を繋ぎながら
絶望の森を楽しそうに進んでいった。
会話を交わしながら
時折立ち止まっては美しい風景や不思議な森の光景に見入る。
「この森、名前とは違って意外と綺麗なところもあるね」
エリシアは楽しそうに笑いながら言った。
『にゅめょりと』も頷き
寄り道をしながら進む道を楽しんでいた。
「たまにはこうして
のんびり歩くのも悪くないな」
1日が過ぎる中
2人は幼馴染のように打ち解けた雰囲気で
次々に景色や会話を楽しみながら絶望の森を進んでいった。
森の危険さも
2人にとっては遠く感じられるほど
安心しきった時間が流れていた。
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